ステアリングガタガタの車両が二台も入ってる。しかもギアボックス。
ステアリング不良は、足回りで関わっている箇所が多いので、他の疑いの余地が残るからすぐには答えが出せないんですよね。

特に65年までのキングピンは単体で点検してみないとよくわからないので、タイロッドを外したり、ステアリングシャフトを外してみたりしてチェックします。
ちなみに、これ、56オーバルです。

やばい。ステアリングギアボックス、普通にない。
そしてもう一台、1302です。

この絵面、なんか悪い事してるように見えますが、ガソリンタンク外さなきゃステアリングシャフトの点検できないので、ガソリン抜いてます。タンクの裏側にユニバーサルジョイントがあるんですね。
ジョイントだけなら組み替えて仕舞いなんですが……ジョイント無事だったりするんだ、これが。

ビートル、トーションバータイプのハンドルギアボックスは部品としてでてるんですが、ストラットモデルは右左別で、左しかでていません。右はマイノリティなんですよ。
こちらもふつうにありませんので、とりあえず中古の部品を探してきて、使えるものにしてみる事にします。

やっぱりプレス機は偉大。

おお、中身は予想通りひどいよ。金色なのは真鍮の削れカスですね。
これ、シャフトの軸受け部分が削れてガタガタだった奴です。これを再生しようという方が無謀かも知れない。

とりあえず洗ってみる。

接触面が荒れてる。普通はこうなってたら終了ですが、そもそも壊れてる部品なのでできるだけ修正してみましょう。

奥の穴に入っているのが真鍮スリーブです。

まさか同じではないかと、一縷の望みをかけて、タイプ2のセンターピンに使われているスリーブをあてがってみるも、若干小さい。使えない。
おわった……いや、終わったらあかん。
ビートルに限らず、空冷系は1975年式の1303を除けば、すべてステアリングはギアボックス式で、摩耗、損耗は宿命でして、ギアボックスの調整でなんとか延命しているというのが現実です。
もちろん部品がでる車種なら心配はないのですが、古すぎるものや、マイナーすぎる車種は、ここが壊れると泣きをみます。
据え切りの多様、空気圧が低い状態で運行、無駄に太いタイヤを履くなどは、確実にステアリングギアボックスに負担をかけます。
そんなわけで、来週も忙しくなりそうです。そして仕事は終わらない。
なんか、常にキャパオーバーしてないか……俺
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