秋の景色といえば紅葉がよく挙げられますし、その印象が強いものですが、実は秋特有の多彩な雲の様子を映す空模様がとても魅力的だったりもします。

ふと地面を見ると、枯れた桜の葉が一枚、儚げに横たわっている。
(ああ、俺もこんな風に枯れてゆくのか)
などと傷心気味に、自身の置かれた立場を落ち葉に投影してみる。
(俺は人生の秋にさしかかっているのだな)
それはあまりに安直で、馬鹿馬鹿しいほどわかりやすい暗喩であり、自身の語彙力のなさに辟易するには充分な思考だった。
そんな俯き加減の俺の頭上から、声がした。

(ねぇ、どうして桜の木は秋になったら枯れるか知っている?)
所々の葉は縮れて枝の隙間から青空が垣間見られる。
俺はその声にバカ正直にも応える。
「え……? そりゃ、君たちにも生物学的な事情があるわけでしょ、植物界の生存競争の結果じゃないの?」
(……もう、ばかね)
「ええ?」
(私たちが夏に広げた葉を散らすのは、これから訪れる環境に対し、落ち込んでいる人を応援しているのよ!)
「でも、俺には君たちが、気温に応じて好き勝手に散っているようにしか見えないけど?」
(もう・・・・・・私はね、あなたにこの美しい空をみてほしいのよ!)
という、妄想ネタは
以前にもやった。 秋バージョン。

そんなわけで、災害続きの夏から小休止して、ちょっと忙しくなり始めてるヘルムでした。
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