
小さな巨人というと、70年代タカラ(現タカラトミー)がかつて玩具展開していた、てのひら大の可動フィギアでして、まあ40代くらいのおっさんなら一度は手にした事がある玩具かなと。その後リメークされたみたいですが、そっちのほうじゃありません。
そんな「ちいさな」の名を冠する軽三輪の雄といえば、ミゼット。
太平洋戦争以降、オート三輪という巨大な三輪車が闊歩していた時代から少し遅れて、庶民の足として大活躍し、最後の最後まで生き残ったのがミゼットでございます。
今でも昭和ライクな映像媒体には演出としてよく登場しますし、ご覧になった方も多いと思います。
ま、こんな車両でも車検は有ります。軽自動車と同じラインに入ります。
しかし、狭い。そしてやはり暑いのですが、三角窓と、足下のフラップのおかげで走るととても涼しいです。
この足下のフラップは、かつて51年のスプリットに装備されていたクラッチクーラーというものと同じと考えていいと思いますが、ざんねんながらビートルではその後継承されずに52年時には既になくなっています。有ったらずいぶん涼しいと思うんですけどね。
が、とりあえずエンジンが運転席のすぐ隣にあるので、とにかく煩い。そして遅い! 60キロ出ればいい方か。
まあ、当時の狭小な入り組んだ道の街乗りと考えれば、その程度で充分なんでしょうけどね。

一撃で合格してやったぜ!
検査官もほぼ見る事がないので、珍しがってニコニコ首をかしげるのですが、まあ一番盛り上がってたのはシルバー人材系の警備員のおじいちゃん。
「コンちゃんがCMしとったな?」 とか私に訊かれても、生まれてませんがな。(ちなみにコンちゃんというのは元気はつらつオロナミンCでお馴染みの、大村崑さんで、爆発的ヒットのきっかけを作ったCMだったそうな)
こんな乗り物が走っていた時代もあったのだなと、しみじみ。
と、よく考えたらこれ1967年製。ビートルが「お医者さんの車」と呼ばれるのも無理はなし。
しかし、ミゼットはそんな庶民らの生活を支えた、まさに「小さな巨人」であったのだと、上手い事まとめたような終わり方をして、今日はもう帰ろう。
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