久しぶりに見たので、ちょっとお話をば。
1974年式のタイプ1 ビートルSTDです。 STDってのはスタンダード。デラックスバージョンに対する、廉価版ですな。1967年から復活。(過去にもありました)1974年まで(だったと思う)

デラックスでは装備された樹脂製のダッシュパッドが省略。
あと、デラックスの73年から豪華になったデフロスターシステムが全く反映されておらず、シンプルな、それこそ67以前と同じ仕様のダッシュデザインです。
メーターのオーナメントリングがメッキではなく黒。
ウィンカーレバー、ウィンカースイッチがデラックスの71年飲みで使われていたもの。
コラムは旧年式ながら、イグニッションスイッチはデラックスと同じものを使用しています。
ハンドルは外してますが、所謂一文字のシンプルな専用ハンドル(旧年式のホーンリングがないタイプがベース)

左に目を向けてみますと、ワイパースイッチが相変わらずダッシュ上部に配されておりまして。
申し訳程度に付いてるセンターデフロスター。
不自然にここだけ樹脂製の灰皿。

天上を見ますと、内装が上面しか貼ってありません。他はボディと同色の鉄板むき出しです。

ドアのインナハンドルも60~67よりも簡素なものでシンプルです。もはやアームレストとは呼べない代物。

リアクォーター後部の三日月はありません。
ビッグテール。
バンパーは黒ペイント仕様。
リアデッキリッドのスリットもありません。

フロントバンパーももちろん黒。
フロントフードにモールは付きません。
フードハンドルも黒です。
ヘッドライトリムもオリジナルは黒(だったはず)
窓ゴムの飾りモールもありません。
あと、細かいことを言うとヘッドライトのレンズやシェルも違います。
内装カーペットもかなり省略されており、シンプル。
もち、最大に違うのが、デラックスが1300やら、1600やらと排気量を上げていたにもかかわらず、STDは1200のまんまでした。同時に1302やら1303といった、高級バージョンを同時にリリースしていました。
まあ、ナイナイづくしみたいですが、今となっては、これはこれでシンプルでよい、という声が多いのも事実。
しかしながら、6Vルック(高年式を低年式の容姿に改造すること)にする場合はちょうどよく、ベース車となったものも多いですから、オリジナルのまま現存してる車輌というのはごく少ないです。第一に、デラックスとスタンダードの値段差がさほどになく、ならばと、たいていの人はデラックスを購入したものだから、STDはさらに数が少ないんです。
おもうに、STDというグレードは、随所に旧年式の部品を使うなどしているところから、ファクトリーで余剰になっていた部品を消化するための方策の一つだったのではないか、と思わないでもありません。この頃に懐古趣味はないでしょうし、67でかなり大ゴケしましたし、STDはビートルの進化の過程で発生したリスクを低減させるガス抜きの役目を果たしていたのかもなぁ、と。
メーカーは本体を安く買って、オプションでカスタマイズを楽しんでもらおうという意図があったそうですが・・・・・・。
私は好きですけどね。
私の車も72年のSTDです。
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