
本日は晴天なり。田にも水が張られ、そろそろ田植えの時期と相成ります。わたしゃ別に農家じゃありませんが、この風景が夏を惹起させるものでして、同時にふと思い出すことがあります。
ふと田んぼを覗くと合鴨が田に泳いでいるのが見える。
おお、あれが合鴨農法という奴かとしばし観察する。
彼らはここの田を自身のテリトリーと考えているのだろうか。他の田にゆくことはないのか? 稲穂が育つにつれ田は水辺ではなくなる。そうなれば合鴨の食すべき餌は田にはなくなる。彼らは秋にはどこかへ行ってしまうのだろうか?
まさか働くだけ働かされて、秋には鴨鍋にされてしまうのだろうか。
そして春になれば何も知らない新しい合鴨が田に放たれ……。
つーことは。
カモ「あの、おやっさん、去年に働いてた鴨たちって今年は来ないんですか?」
農家のおやっさん「ああ、あいつらは田舎に帰るってねぇ、今年は来ねぇよ」
カモ「まあ、最近の人はきつい仕事だとすぐやめちゃいますからね」
農家のおやっさん「おうよ、最近はブラックなんとかっていうけどよ、ウチはきれいなもんだぜ、なんせエコとリサイクルを両立してる環境企業だ」
カモ「おやっさんのコメづくりの信念に僕らはいたく共感したんですよ、僕は今年も来年もずっと働きますからね」
農家のおやっさん「おお、ありがとうよ。たらふく働いて食ってくれよぉ!」
みたいな・・・。
コメ作り現場って超ブラックだな、とか考えてしまった。鴨にとっては、ですが。
でもこれ、ちゃんと理由があって。鴨が成長してしまうと逆に稲穂を食べるので、田からは除かなければいけないんですね。なら、次年に持ち越せばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、休耕期の間の飼育もさることながら、成長した鴨では、早い時期に稲穂に首が届いてしまうため、収穫の随分前にやはり稲穂を食べられてしまうのです。
従って、合鴨農法は基本、新卒採用で、一年雇用が原則。成鳥を野に放つことも禁止されておりますので、ま、食うしかないと。
で、鴨がネギをしょって来るといいますが、都合のいい被害者のことをカモとも呼びます。
これ、実は一緒です。
カモ:詐欺や悪徳商法に引っかかりやすい者の俗称。鳥の鴨が簡単に囮(デコイ)に誘い出されることから(Wikより抜粋)
ですんで、つくづくカモは昔からお人(鳥)よしなのだなと。
まあ、我々も現代社会に生きていると何かとカモになっていることはあるかと思いますが、欲に囚われ幻惑されるときこそ気を付けなくてはいけないという話。
スポンサーサイト