ワーゲンのツインキャブ入門編として昔からよく使われているキャブレター「WEBER 34 ICT」です。
1600や、1700くらいのライトチューニングには相性のいいキャブですが、どっかんパワーを求めるようなキャブではございません。
ノーマルのキャブが二つになったという程度に考えればよいかと。

このたび、左右のバランスが変だ、という事で修理です。
実際のところキャブが原因と突き止めるまでに結構難儀したんですが、今回はそこは割愛しまして。
症状は坂道になったらグズるという。
坂道で変化するものといえば液体系しかありませんから、当然ガソリンという事になります。
ガソリンが絡むとしたらタンクかキャブですが、タンクなら坂道だけダメと言うのは考えにくく、キャブと断定。
キャブをよく見てみれば、片側だけオーバーフローしてる。
ならばと開けてみるも、ごみらしいものはなし。

キャブ単体で坂道を想定して傾けてみると、なんと右側だけオーバーフローする。
キャブはどんなのでもある程度まで傾くとオーバーフローはします。ただしかなり角度が憑かないとこぼれない、それこそ運転してて恐怖を感じるくらいの角度じゃないと……。
変だなと、何度も試してみる。上蓋外してたら左右とも傾きによる影響は同じ。
じゃあ、上蓋に秘密があるのか?
これ、普通にセオリー通り考えると『左右で油面がずれてる』と診断するんですが、そんなことならここまで長く記事書きません。
試しにフロート外して上蓋締めてみる。
異常なし。
じゃあフロートかよと、左右を手に取ってみる。
あれ、なんか重さ違うくね?

片っぽが沈んでる。異常のあった方の奴だ。
つまり、比重が違う。
これ、まるっきりアルキメデス先生の話やんか。(金の王冠の話ね)
これくらい差があると、キャブレターのフロートチャンバー内でフロートが沈み込んでしまう。浮くのは浮くのだけど半端に浮く。
こりゃフロート調整しても無駄なわけです。
で、これが何でこういうことになったのか?
ココでも普通ならフロートに穴が開いて、ガソリン入ってるんじゃねぇの? となるのだけど、それなら即解決してます。
このフロート、中が中空じゃないんです。発泡ウレタンみたいなもので、中身詰まってます。針を指せばぶすっと刺さりますが、そこにガソリンが入ってゆくということはありません。
しかし明らかに重い。
結論としては、長年の間に、フロート表面のピンホールから徐々にガソリンが染みて入った、としか考えられません。
なので

フロートをヒートガンであぶってみる。
すると、表面からガソリンが沸いてくる。やっぱりかよぉおお!
これどうしたらいいんでしょうかねぇ??
なんでこんな素材をフロートに使うんだろうか。おのれウェーバーめ!
今んとこ、フロートだけの部品は出ませんで、どうするかマジ悩み中。
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