ええと、日本の車検項目には「ボディとバンパーの隙間」というものがあります。
ボディとバンパーの間に隙間なんてあるかいな、と現代の車にお乗りの方は思うかもしれませんが、そもそもバンパーとはボディではありません。現代の車もバンパーとボディは離れてます。しかし、バンパーフェイスという樹脂カバーが上からかぶさっているため、バンパーが直接見えないようになっているのです。
まあ、最近はバンパーと呼ばず、バンパーフェイス裏側に隠れている鋼材のことをレインフォースメントなどと呼んだりしますが、要するに、クラッシャブルボディが当たり前になった現代では、バンプという衝撃緩衝の意味はなくなった(概念が変化した)ので、実質今の車にはバンパーはなくなったのです。それで、「心材、補強材」という意味のレインホースメントという部品になったのだろうと思います。
無論衝撃を吸収していないかと言うと、してます。衝突時に効率的に力を逃がしてボディをつぶし、機関部が押されないように設計してあります。これがないと、フロントエンジンの車はエンジンが搭乗者に襲い掛かってきます。
ま、それはそれとして。
バンパーの隙間ですが。ワーゲンや古い車ではしばしば問題になるのですが。

ビートルでいうと、ここのことですね。
高年式は割と近いのですが、低年式になるとかなりガバッと開いています。
この隙間は、ボディとの隙間2センチ以内、と決められています。
これは、バンパーに歩行者が引っかかったらあぶねぇだろがボケェ! という理屈だそうです、なので規定があるのはリアバンパーだけ。我々からすると、バンパーに引っかかる前に轢いてるわ! と言いたいところですが、車検の検査官は頑なにこの2センチにこだわるのです。
この件では検査場で100回くらい怒りの声をあげてますが(低年式やタイプ2などは2センチ以内に収めるのはそもそも無理)意味のない法的基準に異を唱えるのは、良識ある国民の義務です。
ま、ですが今回はその話ではなく、バンパーとボディ隙間がなさ過ぎて、たまにボディにバンパーが干渉するというのが問題です。

ぎりぎりです。
これでは振動などですぐにボディにあたってしまいます。
なぜこのようになるのか? これでもバンパーステイは最大限引き出している状態です。


答はビッチな社外品バンパーステイの作りの悪さからくるものです。鉄板薄いし、形がでたらめ。(純正と比べてます)比べてみても長さが足りない。
隙間ギリギリでボディにあたっていないとはいえ、やはりまずいです。


交換すると、ほれこの通り。
良い感じの隙間になりました。
これでも調整域内で任意に前後できる余裕はあります。板金などでリアフェンダー形状が変形している場合はこの限りではありませんが、これくらいの隙間が普通です。
社外品しかない場合は、それなりに工夫が要されるというのは覚えておいてください。
てな感じで。
スポンサーサイト