というわけで続き。
マルニ、マルサンとセットで忌避され続けてきたVWタイプ1 1302と1303ですが、1303についてはまたいつぞやの機会にお話ししたいと思います。
でそれとは逆にここでは、前回まででいかに1302がよい車なのかという事をお話ししました。

この1302、当時最新式のテクノロジーを投入されたにもかかわらず、それまでのスタンダードビートルの内外装の体裁を踏襲していたあたりで、先進性を望むビートルファンとしては物足りないものに映ったのではないかと思われます。
といいますのは、画像の通り、従来のビートルの内装なのですね、ダッシュはスチール、ハンドルもハーフムーン、スイッチ類ですらそのまま。当時のスタンダード(トーションバー)1971年式ビートルとなんら変わりません。窓もフラットです。
ちゅーと半ぱやなぁ、と言われたかどうかは知りませんが、足回り性能とは裏腹に、見た目があんまり変わっておらず、むしろかっこ悪くなってしまったのでした。そのため1302は1971年から1973年までという短命で、その後の1303へと系譜のバトンを渡すことになります。
ある意味希少車です。
蛇足なんですが、私が最初に手に入れたビートルが1302でした。
その当時はビートルの知識が全くなく、買うならアイロンテールのモデルがいいな、とくらいにしか認識しておらず、個人売買で手に入れた時ですら、それが1302であることをわかっていませんでした。
ところが別のビートルと比べるとなんか顔が違う。
これに気づくのにしばらくかかりました。で、トーションバー式のスタンダードビートルで出来ることがこちらではできないという事が徐々にわかってきて、限界を感じて手放すことになります。まあその時は若かったですから色々やりたいこともあったんですよ。
今思えば、乗りやすくていい車だったと思います。
DIYで修理して、まともに乗れるようになるまで半年かかりましたが、楽しかったなぁ、と。
お金を貯めて部品を買って、つけて、どんどん自分の車がよくなってゆくのが面白かった。
そんな時代があって、今の私がいるわけです。
今こうしてワーゲン屋の立場になると、個人的なノスタルジーも感じていますが、古い中に新しい技術を詰め込んだ、「ちょっと頑張っちゃった、テヘペロ」 という、過渡期ならではの企業努力、迷走感がたまらん味を醸し出しているなと。
まあ、いい車ですよ。ほんとに。
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