最近どうですか? とかよく聞かれるんですが。
ヘルムやってるやんな? とかよく聞かれるんですが。
あれ? と。
ホームページ? ブログ?
更新してないじゃん……とりあえず近況報告をば。


とりあえず、去年の年末からえらい事になりました。
ワーゲン好きの皆様からすれば胸がえぐられるような光景ではございますが、これが現実です。
状況的にはオーナー乗車、ハザードたいて停車中、後方から突っ込まれたという感じです。
正面からドンではなかったのは、加害側のドライバーが脇見運転をしていて、気づいた瞬間避けようとして間に合わなかった、ということです。
ま、ぶつかった理由なんてどうでもいいです。
どないすんねん、これ。
四分の一あらへんがな。
無論、相手の左前フェンダー足回りもなくなっておりましたが。
激突した相手の保険で補償はされるので、その点は安心でしたが、問題はこの部分のリプレイスパネルはないということ。
ならば解体車しかない……ということで探してきたのがこれ。

キャンパーの後ろ半分です。まあ、五十年前の車ですから、程度がいいということはありません。
ですが形があるだけでも随分助かるものです。現代車のようにボルトで止まってるわけじゃありませんので、バラシも移植もそんなに簡単には参りません。

ここまで切るのに丸一日。
さらに

ここまでするのに二日。 鉄板が丈夫な上に、かなり丁寧にスポット溶接されてるのでひたすら時間がかかる。切るわけにもいかないしね。

くしゃくしゃになった部分を切り取っちまいます。
修正しながら下の型を模索。

なんとなく復活する。

合体して完成ー! みたいに見えますが、全然。
ここからがさらに大変です。ワンパネで完全に入れ替えるわけではないので、お互いの継ぎ目を完璧に合わせる必要と、角度と位置の調整が大変です。
というのも、単なる交換ではなく、どこがまともな箇所で、正常な状態や角度を見極めないと、またえらいことになります。
付けては外しを繰り返すこと数十回。
ドナーのパネルもどうやら一度板金して修正されているためあまりアテにならない。
という状態がかなり長く続いております。
少し愚痴っとくと、年末に入ってまだこの進捗か、と思われるかもしれませんが、実は一ヶ月以上保険屋との折衝で費やしており、手がつけられなかったんです。
この時はかなり怒ったんですが、要するに争点は
「保険屋として客観的に車の価値を判断できない」ということなんですね。
「えーそれじゃ、うちで売った時の請求書のコピー送るわー」
「巷の実売価格見たらわかるやん」
と、こちらとしてはできる限りの資料は提示したんですが、支払い担当の女が渋ってる。
「いや、だから、オタク調べました? 実売価格」
「同じ車種といっても、いろいろありますから」
「いろいろ言うても、フォルクスワーゲンタイプ2である限り二百万を下回ることはないんやからおおよそ見当つくやろ」
「購入当初にお振込していただいた口座の通帳コピーを提示してください」
「はあ?なんで」
「お客様からもお振込した時の通帳コピーをいただいています」
「じゃあ、こっちが出す必要ないやん」
というやりとりが続き、完全にうちが詐欺ろうとしていると疑われている。意味わからん。
そもそも、うちが最初から詐欺をしようとするならお客さんとも口裏合わせて、振込なんてしてないって言うし。
じゃあ、どーすんだ!
ってかなり怒鳴ったら、「あとはうちの方でお客様と話をしますから」の一点張り。
「それができんからアンタらはうちに見積もりさせてるんだろうが。市場調査もできんボンクラが!」 と言ってみたけどナシのつぶて。
こりゃいよいよまずいぞっと・・・・・・おもった。
というのは、このようなややこしい案件の係争ってのは保険屋としてもやりたくないわけで、あまりにごねると(ごねてないが)面倒だとして、弁護士を代理に立ててくる。そうなると調停か簡易裁判へと発展し、判例に基づいて補償額が提示されてそれで終わりとなる。納得いかなければ裁判を続けなければいけないが、申し立てるのは被害者でありうちではない。
古い車に乗っている皆さんはこのところよく覚えておいていただきたいのですが、保険屋のレベルで話が留まっているうちはまだ曖昧な方で、担当のアジャスターしだいでどうにかなる場合がある。これをマジになって市場価値が、とか“私情価値”が、などと言い出すと即裁判に持ち込まれる。
それと、肝に銘じておかねばならないのは、社会通念上、価値を見出すのが一部の人間とするような場合かなり弱い立場に持っていかれる。端的に言うと、こんな車なくったって世間は困らねぇし、の一言です。
これらの話がまとまるまでに要した時間が約二ヶ月でした。なんとか保険サイドとの話で収まりましたが。
考えてみればうちのお客さんはなんの落ち度もなく、過失もないのに、詐欺を疑われ、自身の個人情報を晒すように強要されるなど、精神的苦痛を受けている。逆に加害者はというと、保険屋に丸投げであとはのうのうとできるわけで、ノータッチなわけです。仮に加害者側に直接交渉を行うと、下手をすれば脅迫や恐喝になるからできない。
これはなんなのだろうかとは思う。 被害者が買った証拠を証明して、頭を下げて補償してくれとお願いしなければいけない。
まるで我が子を殺された殺人事件の聞き取りで、「このお子さんは本当にあなたのお子さんですか?」と問われるようなものです。
もちろん、保険業界には詐欺も横行しているのは確かです。ですが事実、事故は事故で私自身も目の前で見ているのであり、写真も残っていて、加害者も非を認めている。なのに保険屋は自身らの守銭を優先する。
もちろん、契約者保護という名目が働いているからではありません。
なぜなら、このタイプ2のオーナーも加害者と同じ保険の契約者だからです。(うちはその保険屋の代理店じゃありません)
はっきり言って、保険屋の倫理観を疑います。
まあ、本来的に言うと、補償ってシステムは保険があるからであり、なければ加害者との直接対決しかないわけですから、今回の件でもまだましな案件だったわけです。最悪逃げられることもありますし、話に取り合ってもらえないケースもあります。最悪のことを考えれば幸いだった、とも言えるのです。
もちろん事故はなければなお幸いなのですが、他人と共有している路上である限り避けられないこともあります。
我々は事故の相手を選べるわけではありませんから、もしもの万が一に備えて保険を完備しておかなければなりません。
困れば親切な誰かが助けてくれるわけではなく、問題が自動的に解決するわけでもない。
その助力を受けるためには対価を支払う必要がある。
もしも皆さんが自分の自動車を世間の価値以上に大事に思っているならば、車両保険に加入することはおすすめします。
自分の大事なものを守りたければ、その努力をするしかありません。
なんか結局保険の宣伝みたいになってしまいましたが、まあこれが現実です。
皆さん、事故にはくれぐれもお気をつけください。やって得になることなんてひとつもないですからね。
以上、バタバタで作業してるように見えますが、もちろん通常業務も普通にこなしてます。
お気軽にお越しくださいませー。
と、
本年(度)もよろしくお願いいたします!(笑)
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