ええと、うちはワーゲン屋なんですが、実際のところ来た人は知っていると思うけど何でもやります。
何屋やねん?ってもはやつっこむのも無粋なくらい昔からいろんなことやってますし、いろんなものを直してます。

で、今回さすがに心が折れそうになるのをこらえこらえて、2011年3月11日の東日本大震災にて被災したハーレーダビットソンを修理することになりました。
これ、依頼されたものじゃなくて、私が個人的に購入したものです。
うかつにも被災車とは知らずに買いました。水没で不動は覚悟してたんですけど。
水没車→水害or故意か過失による水没→いや、ちょっと待て車検証登録は東北地方、津波じゃないんかい?し、しまった。
海水ではないか。
しかも一年間塩漬け・・・これは修行・・・、いや、もはや楽しまなければ損だ。
シリンダーブロックとか、クランクに水が入っていなければよいよなぁ、とか希望的観測。
ヘッドライト割れてるし、メータも破壊されてるし、エンジンガードも曲がってるし。単にずぶずぶと水が迫ってきて冠水というわけではなさそう。恐るべし津波。

でも外装は意外ときれいなんすよ。楽観視したくなる人の性よなぁ。

ボルト頭はすべて赤さび、判ってたけどハーレーのボルトってしょぼくて、しかもその辺では売ってない。

オイルラインも死亡。ん?なんか挟まってる?

げえ、セルモーターが中から腐食して爆発してます。エイリアンが生まれた後みたい。
それはさておき。
まずはオイルのチェックです。
ドライサンプですからオイルタンクがあります。
オイルタンクあふれるほど満タンいきなりアウトやないか。
オイルより水のほうが比重が重いので、水はオイルの下にもぐりこみます。ですんでオイルの量が上がったように見えるんですな。ですから、オイルラインは完全アウト。
クランクケースにも海水が回ったとみて間違いなし。
普通はこの時点でアウトです。
「海に沈みました」ってバイク屋なり車屋に修理持っていったら十中八九
『買い換えたほうが安い』と言われます。というのも、鉄にしろアルミにしろ、水だけでも錆びるうえ、それが海水ですから、これがよくさびる。
唯一の救いは、エンジンのクランクケースははほぼ密閉されているから、錆が最小限の進行しかしないという点です。(酸化するには空気が必要ですから)ですから、形的には、ケース内に海水が混入してもそのまま動かしたりしなければ元から入っていたオイルが上に上がり油膜が蓋の役目をして外気と遮断してくれているというわけです。
先日カナダに漂着したハーレーがありましたが、当初ハーレー本社が修理して持ち主に返してあげるという粋な計らいを提案して話題になりましたが(結局ハーレーの博物館に現状のまま展示されることになったそうです)いわばこの車両も元々はああいった状態の車両と変わらんわけです。
外見こそ綺麗に洗われておりましたが、ばらせば出るわ泥や瓦礫があっちこっちから。
これ、直すのにどのくらいかかるんだろうなぁ。
時間とお金と・・・。
ま、ヒマ見てちょくちょく直していきますわ。
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