ワーゲン四方山話 その10 「ワーゲンと税金その2」

2012. . 24
前回は少し込み入った話になりよく判らなかったかもしれませんが、まあ大まかには自動車税制の改革はそろそろ考えてもいいんじゃないの?というお話でした。

あ、ちなみに塗りました。

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で、この自動車にまつわる税金ですが、自動車を所持するために支払わなければいけない税金が二種類ありまして、一つが年一度に徴収される『自動車税』もう一つが車検時に支払う『重量税』となります。このうち自動車税には二種類ありいわゆる普通車にかかる『自動車税』は都道府県税にあたりもう一つの、軽自動車および二輪車、原付全般にかかる『軽自動車税』は市町村税になります。ややこしいですね。あと、新車購入時(および年式が浅い中古車)には自動車取得税というものが都道府県税として徴収されます。

そして重量税は前回も述べたように国税になります。
あとひとつリサイクル券と言われる、『リサイクル預託金』という税金にも似た自動徴収システムが車両購入時にはくっついてきますが、こちらはリサイクル推進機構というどこからともなくポッとでてきた特殊法人です。

要するに、いい方は非常に悪いですが、あらゆる関係自治体、関係団体からよってたかって税金をかけられむしり取られている個人的財産(動産)が自動車と呼ばれるものです。
無論ながら、こういった税金でもってあらゆる自治体や国のあらゆる事業が成り立っており、必要なものは取らなければなりませんし、自動車に関する物象への使途にはなんら疑問を感じませんし、至極当然だと思います。ただ、そろそろ始まります道路を掘っては埋めるだけ、とも取られかねない年度末の各地での道路工事などに使われているであろうことも、百歩譲ってよしとしましょう。

ちなみに現行制度の重量税は、初年度登録から18年以内の車両に関しては優遇措置が取られており、今までの1トン未満の車に対して25200円だったものが20000円、37800円が30000円、50400が40000円と改められております。これはワーゲンであっても初年度登録ですから並行輸入などで18年以内に登録された車両ならば優遇されます。もちろん、いわゆる普通のワーゲンは35年を超しているものがほとんどですから何の割引もありませんし。

自動車税に関して言えば登録から約15年を経た車は『環境負荷の高い車』ということで約10パーセントの割増税を課税されます。
この点に関しては古いワーゲンは不利ですし、今後も優遇されることはないでしょうし、むしろさらなる重課税となる可能性もあります。
無論、これらをたとえ1年365日で割ったところで大した金額ではないのですが、片やエコカーと呼ばれるものが25パーセントから50パーセントの優遇を受けていることを考えると、非常に損をしているという気分にはなりますでしょうが、実はここが落とし穴で、優遇されるのは『新車』と呼ばれる期間のみで、つまりは登録から一年後の翌年度の自動車税額のみで、次年度からは他の普通自動車と税率は何ら変わらなくなります。

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ここまで来ると中と外の色の違いが気になるなぁ、というわけで中も塗ることにした。
本当は同じ色で塗るつもりだったのだけど、色作りをしているうちに『イイ色』が出たので、そっちにシフトしたのでした。


で、先の「ワーゲンと税金その1」で述べた、自動車にまつわる税金の一元化において重量を基準に算定するのがよかろうという話でしたが、ここのところをもう少し詳しくお話しますと、過去をさかのぼれば元来乗り物のボディとは軽量高剛性ということが理想であり、もっとも実現が難しい分野だったわけです。単に丈夫であることを望めば、鋼材フレームを多用しがっちがちのリベットと溶接で作られたような、戦車のボディが最も丈夫ですが、乗用車にそこまでのスペックを採用しないのは必要がないからであり、砲塔もなければ砲弾を浴びることもないわけで、壊れないけど走らない車なんぞ無駄でしかありませんということです。無論ながら、戦車のエンジンはそれだけの重量を動かすためにかなり大きなエンジンを積んでおります。

ちなみに骨董品ではありますが、我らがポルシェ博士も開発に携わったナチスドイツが誇る漢の重戦車ティガー戦車(いわゆるタイガー戦車)は総重量57トン、エンジン出力700馬力でございました。最高速度は40キロそこそこで行動距離は100キロですから平時でも二時間走れるかどうかというところ。作戦行動時ではおそらく一時間もたないでガス欠します。

というわけで乗用車というものは軽く作れば大きなエンジンが必要ないということが経験則的に知られておりましたゆえ、エンジン開発以来、その筺体は軽く作るために素材を変え構造を変えしてきたわけです。現在でこそ自由に排気量を安定した機構で制作できるようになりましたが、昔は大排気量、というか高出力エンジンを作り出すことが難しかったため、大排気量にならざるを得ませんでしたし、現行の軽自動車にワーゲンのノーマルエンジンは馬力ですでに負けているといった体たらくです。
しかし、それでも過去の車がそれほど遅くはなかったその一番の理由が、軽量高剛性という車両の追及にあったからではないでしょうか、と私は考えています。

事実、ビートルは乾燥重量で700キロ前後、タイプ2ですら1トンを少し超えたくらいですから、車格からすればかなり軽いと言えます。無論走る以外の装備が他になにも付いていないからだとおっしゃるでしょうけども、35年から50年ほども前の車が50馬力でひぃひぃ言ってるエンジンを搭載してのスペックです。高出力エンジンを搭載できればもう少し装備を充実させたかったかもしれませんが、それでは燃費を犠牲にすることになる。過去においてもエネルギーはお金で買わなければいけないものでしたから、市販するにはそのあたりも重要であると当の言い出しっぺの総統閣下は最初にその条件を提示しております。

おそらく世界史上で「燃費をここまでに抑えろ」と初めて公言した政治家はかのヒトラーでありましょうな。
ある意味エコな人でした。

ま、それはともかく。
事情はあれど、少ない資材と燃料でいかに効率よく走らせることができるかという、自動車という乗り物への技術的探求は迫られればこそ、という側面は明らかにありました。
それが、資材、燃料ともに安定して供給されるようになってくると高出力を大排気量によって得るという最も安直な技術に走ったのは戦後の日本に限らず、世界各地でエコエコ燃費といいだすまでどんどんと車両重量は増えていったのであります。

ご存じのとおり、現在最も先進的と言われているハイブリッド車は小排気量のエンジンとモーターを駆使して快適かつ安全かつ低燃費という在来の自動車と遜色ない性能をたたきだそうと躍起になっておるのですが、重量車に対してはなかなか(費用対効果として)思ったような燃費が実現できないのが現実のようで、まだまだ普通車の小型車枠にとどまっている技術と言ってよいところです。

つまるところ多大な労力をつぎ込んでみたものの燃費向上にはエンジンの構造そのものを見直さなければいけないという事態は、実のところ負けの理論であり、私からすれば既存の技術への愚弄とも取れるのですが、まあ、それは『こっち側』にいる人間の理屈ですから、私らが時代錯誤で負け犬の遠吠えなのだとすればそれでもかまいませんが。

ええと、税金の話でした。
そういうことで、世の技術がハイブリッドやエレキテルに走ろうとしている中でも重視すべきで、永久に課題となるのは軽量化でありまして、やはり乗り物のメーカーたるものこの分野を追求せずしてなんとするかと思うわけです。この技術が最も困難で金銭がかかることは百も承知ですが新技術を導入した車を新開発するよりも、全車種平均レベルで低地燃費20キロを目指したほうが環境には良いと言えます。
無論、個人にとってはエコロジーよりもエコノミーのほうが優先度高いでしょうけどね。

だからその軽量化=従来の原動機技術のままで性能向上=低燃費、という図式を前面に置いた軽量化戦争の戦端を切る税制改革は非常に有効だと思うわけで、自動車税を重量と車輪の数と最高出力にて課税率を決める方式にすべきだと思うわけです。

この考え方は宇宙開発にも船舶にも航空機にも適用できます。

現在この軽量化の技術を毎年意欲的に更新している乗り物というのが一つだけあります。それが自転車です。
何故積極的なのか?それは人間の足でこぐ乗り物だからです。

というわけで税金の話。二部にわたってお送りしましたが、やっぱ関係ない話してしまいました。
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