ミッションマウントの話

2011. . 14
はい、お約束どおりミッションマウントの話です。

前回破損していたミッションマウントがこちら。

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これはいわゆるウレタン性ミッションマウントと申しまして、通常純正や純正相当品のものは金属ベースにゴム製マウントが蒸着(ギャバンですな)されている代物なのですが、これはウレタン(ポリウレタン樹脂)のブロックそのものでマウントとしている製品です。

ちなみにポリウレタンとは、通常イソシアネート基とアルコール基等の水酸基を有する化合物が縮合してできるウレタン結合でモノマーを共重合させた高分子化合物でありまして、ウレタン樹脂、ウレタンゴムともいいます。ちょうどプラスチックとゴムの中間くらいの性質を持つ組成で、現代ではいろいろなものに加工されて利用されております。

ただ、このウレタンという素材には決定的な欠点がありまして


化学反応のひとつで、先日も申し上げましたように全ての樹脂は合成された時点から分解を始めるという原則に基づきまして、ウレタンも加水分解という水分による反応がおこり分解されてゆきます。
ウレタンの「加水分解」というものが割りと有名なのは、その劣化具合が顕著でおかれている環境如何によってはかなり短時間(数年)で分解してしまうというところから体験した人が少なくないと言うところからでしょう。

加水分解を起こすと当然ながら本来のウレタンの特性は失われ、ボロボロに崩れてもろくなってゆき、最終はやはり粉末状に分解してしまいます。

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右側が純正タイプのミッションマウントです。

ただ、このようなウレタン性ミッションマウントが何ゆえパフォーマンスパーツとして認知されているかと申しますと、先にも述べたように「ゴムとプラスチックの中間的素材」であるがゆえに、剛性を稼ぎつつ柔軟性を得るというにほかなりません。純正のゴム製は柔軟性はありますがやはりゴムである以上駆動力がミッションに伝わる際にパワーをマウントで逃がしてしまうことになります。

かといってミッションをシャーシにリジットしてしまうとダイレクトにパワーが伝達されているフィーリングが得られますが、エンジンやミッションの振動をもろに車体が受けて乗り心地が大変不快なものになります。ゆえにあっちを立てればこっちが立たずになることをウレタンミッションマウントはカバーしてくれるのです。

ま、どのくらいで加水分解するかは車の保管状態にもよるので一概には言えませんが、基本的には単なる化学変化で使用頻度を問わず消耗する部品であるという事は覚えておいてください。
その点ではゴム製のほうが粘りますから、長い目で見てもコストパフォーマンスが高いのはやはり純正と言えそうです。

ちなみにミッションマウントが壊れると、シフトが入りにくくなったり、エンジンが遊んだり、ジャダー(クラッチミートのときにガクガクブルブル)が起きたり、走行中にパワーをかけるとギア抜けが起きたりしますんで、エンジン降ろしたりしなくても下から覗いて亀裂や剥離なんかがあるようなら交換をお勧めします。
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