元来空冷ビートル、タイプ2などの低年式車にはバックランプが付いておりません。
仕組みはミッションの先端部であるノーズコーン内部のセレクタシャフトでバックランプスイッチを操作するようになっているのですが、低年式のミッションにはそもそもこのバックランプスイッチを取り付けるための穴が開いていないため、どう考えたって付かないわけです。
ですがミッションを乗せ変えたりしている車においては、割と高年式のノーズコーンが採用されていることが多く、近年になってからですがタイプ2用のバックスイッチホール付きのリプロノーズコーンも発売されており後からバックランプを連動させることも不可能ではないということがあります。
今回の患者は1958年のビートル
年式的にはアウトですが、エンジンミッション共に高年式のものが使われているため、もしやと思い底をのぞいてみます。

ありました。
メクラプラグで塞がれていますが、これを外せばスイッチが取り付け出来ます。
ま、このプラグを外すにはちょっとした工夫が必要でして、まず普通の工具では無理です。写真の通りものすごく作業スペースが狭いです。
で、これが外したプラグと、取り付けるスイッチ。

面倒なので作業途中写真はなし。

いきなり出来た写真。
バックランプが欲しいけどつけられないかなー、という方は一度底を覗いてみてください。
もしかすると可能性はあるかもしれませんよ。
ちなみに写真の58年はウィンカーも補助用のモノをバンパーの下につけています。
この当時くらいはまだまだ保安基準って低くて、ウィンカーもテールもストップも全部ひとつのレンズが担当しており、現代の目線からすると非常にわかりにくいものです。
お解かりの方もおられると思いますが、こういう指示器しかついていない車は曲がったりとまったりするたびに後続車からクラクションを鳴らされることもしばしばという苦い思いをしなければいけません。
当然バックもランプそのものがないですから、後ろに下がる時も予告なく下がらなければいけないのでやっぱり後続車は「おいおい下がるのかよ!」って感じでちょっとイラっとするんですな。
意外と後続車は前方車両のテール周りのランプを見て自分の次の判断を仰いでいるものなんですよ。
後悔先に立たずとは申しますが、球切れや、レンズ割れなんかは無論、たまには後ろを振り返って「見る」のも大切なことではございます。事故が起きてから後悔してもアレですしね。
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