fc2ブログ

LGBとTにおける婚姻問題 その1

2023. . 05
少し春の自由研究的に。

てんちょのあやしいはなし

いま、LGBTの婚姻問題が永田町で悶々と議論されてるようですけど、たぶん日本の政治家のオッサンは、全くもって受け入れられないでしょう。それより、先進7カ国の中で同性婚を認められないのは「ダメじゃね?」という空気感だけが支配している。

うちだけじゃん? 的な。

私的には、まだそれでもいいと思うんですけどね。ちょっと性急に過ぎる気がします。

個人的には「LGB」の人はちょっと普通に受け入れられないかなってのはあります。自分がそうじゃないから。
だって私は、男に恋愛感情抱かないもん。恋愛感情ベースで一緒に寝たいとか、交合したいとかも思わない。
こういう言い方青すると誤解が生まれますよね。必ず。
LGBってのは性嗜好(せいしこう)ではなく、性指向(せいしこう)であると。

読みは同じですがコトバの意味は全然違う。

極々一般論的にいいますと、

性(的)指向は恋愛感情を向ける対象を指す。だから向きを指すという意味の「指向」と書く。
性(的)嗜好は性的興奮を誰(何)で感じるか、を指す。だから嗜好品の「嗜好」と書く。

で、ここで間違えてはいけないのは、コトバは別だけども、これらが同列で別のモノとして並列している、と考えるとおかしな事になります。

性嗜好は、ヘテロ(異性愛者)だろうがホモ(同性愛者 ゲイ・レズ・バイ)であろうが皆持っている。そんなものはないという人は性欲そのものがないのだと思います。(だいじょうぶ、まだ見つかってないだけで、きっとそんなあなたも見つかります)
なので、性嗜好というのは、大抵性指向の中に包括されてます。

男性は女性に恋愛感情を抱き、女性の身体あるいは身体部位に対して性的な興奮を覚えます。

同じく、

ゲイの男性は男性(ゲイ、バイ、ノンケ)に対して恋愛感情を抱き、男性の身体、あるいは身体部位に対し性的興奮を覚えます。

ただし、性指向と性的嗜好が必ずしも一致するわけではなく、男性として性指向は女性だが、男根に性的興奮を覚える、等といった例もありますし、あるいはフンドシやハイヒールといった、モノにフェチズムを感じるケースも性嗜好であり、この場合パートナーがフンドシ、あるいはハイヒールさえ履いていればそれで性交渉が成立してしまうケースもあり得るわけです。
さらに言えば、男性が女性装している姿が良いだとか、顔は女性で男根と乳房が付いてるのが良いとか、髭面のオッサンがひらひらのドレス着てるのが良いとか、まあ、ややこしい。

広義に捉えればロリコンやSM、スカトロなども性的嗜好に分類されます。(詳しくは後述)

ですので、現況なかなか理解されにくいのが、この問題。
LGBT=性的弱者・セクシャルマイノリティと訳されているにもかかわらず、「変な性癖の持ち主達」と、皆がどこかイメージしてしまっている事。

ちなみに、よく皆さんが口にする「性癖」ってコトバは、「性的な癖」ではなく「癖の性質」のことです。全然違います。本来性癖にはセクシャルな意味はなく、行動原理的な癖やこだわりを指し、どちらかというとネガティブな、社会通念上好ましくないとされる個人の癖に対し「性癖」を使います。昨今はその言葉の響きが便利なせいで、性交渉の際のフェチズムに充てて「性癖が異常」などと使われたりしますが、完全な誤用です。
(上記私が指した「変な性癖の持ち主達」という使い方は間違ってはいませんが、前の文脈からすると間違いです。私は意図的に誤用していますのであしからず。正確には「変な性嗜好の持ち主達」となります)

はっきりいいますと、この分野は底なしの沼です。入り込むと訳がわからなくなります。

ヘテロセクシャル(異性愛者 皆さんが考える普通の性指向の人、ストレート)から見ると理解に苦しみますし、多分完全に理解も出来ません。それに性的マイノリティに属する人々自身も自分たちをなんとか規定して、主張強度を上げようとして、いろんな言葉を生み出しましたが、やはり全てのマイノリティがそれに属しきることは不可能なので、さらに細分化していったという。

単純に昔は、「普通と変態」だったのが、「私は変態だが、お前の変態とは違う」と言い出したり、「変態は変態だが、この一線は越えない変態である」としてみたり「いいや、お前は俺の変態と同じではないから、その種別を使うな」といった内ゲバが生じたり、あげくは「変態ではない、自然だ」と主張しだしたり、そんな歴史で今に至るわけです。

で、最初にLGBの人を(恋愛対象として)受け入れる器が、自分にはないなぁ、というお話しでしたが、私も含めた一般人のLGBに対するぼやっとした忌避感というのがかならずあります。
しかしそれは、LGBの方達の人格や性指向に対してではなく、もっと単純に、「異性愛者であればまず持ち得ない性嗜好」がセットとして付いてくる事が殆どであるからだと思います。それだけのことです。

わからない方がいるといけないので一応断言しておきますが、普通の男は男根を男のケツに挿したいとも挿されたいとも思っていません。仮に男に迫られたり、諭されたりしたとて、渾身の力を込めて殴り飛ばすか、全力疾走で逃げます。そこで殴りもせず逃げもせず、唯々諾々と許容してしまうそんな男は、腐向けBL漫画くらいにしかいません。

さて、じゃあTは何処行ったと、ここから本題のお話です。意外なことに、ここでこの手の話をするのは初めてですね。(過去にジェンダーの問題 は切りましたが、ジェンダーバイアスやジェンダーロールはまた別の観点から語られる話ですので、今回は絡めません)

Tってのは「トランスジェンダー」昔は性的倒錯者などと呼ばれたり、変態はもとよりオカマとかオナベとか、割と無自覚に蔑称に晒されてきた、理解も得られにくい、苦労の多い分野の方々です。
今現在においても、自覚無自覚にかかわらず、社会的な影響もあり、自身でそれと受け入れたり表現したりができない人も多く、潜在的にどの程度いるのかは皆目見当が付きません。

また、無自覚層においては、ちょっとズレてる感覚はあるけども、それほど違和感を覚えない、もしくは許容できる、という人も多い印象です。

我々がここでしっかりと認識しなければいけないのは、「性自認」「身体性」「トランスジェンダー」「トランスセクシャル」の4つが何を指しているのかということです。

歴史的にはさておき、現代においてトランスジェンダーとは、自分が思う「性自認」と自分の身体の「身体性」が一致しない状態のことです。
「ジェンダー」というのは解りやすく言えば「社会的な性」ともいえますが、ここでは「自分が思う性」のことです。
「セックス」というのは、行為そのものではなく、生物学上の性別です。生殖器や身体構造といった物理的な部分を指します。

なので、人間以外の(たいていの)動物にはセックスはありますが(おそらく認識できるほどの)ジェンダーはないと思われます。

だからといって、ジェンダーは人間が頭の中で作り出した概念なのかというとそうではありません。実は近代から現代まで延々とトランスジェンダーの方々が被ってきた各種の悲劇は、「ジェンダー」が脳で作られたマトリクスであるという誤解が生み出してきました。

要するに、その者が規定する異性の鋳型に自身を落とし込み、振る舞うことで、精神的安定を得ようとする恒常性機能であると考えられてきたのです。ですから、性同一性障害は精神疾患の一種だと捉えられていた歴史があります。
そういった時代では、当該児童の行動を制限したり、外見的に矯正したり、あるいは精神科医による投薬など、本人の意志を無視した、まさに虐待と捉えられる行為が行われてきましたが、これは無知から生じる愚かな行為でした。

無論、これによって身体性に合わせて性自認が変化した例など一件もないそうです。(この矯正が苦痛で表向き変化をした方はいるかもしれませんが、歪なことです)
詳しくは省きますが、性同一性障害として診断される方の脳は明らかに、身体性と一致しない特質を持っているそうで、文字通り(脳が心の役割を果たしているなら)心は女性(男性)身体は男性(女性)となります。


蛇足ですが、逆にペドフィリア(小児性愛)は児童などの年少者を性的対象として捉える姿が奇異で、当初性的嗜好倒錯、異常性愛などとして疎んじられ、侮蔑されていたのですが、近年の認識としては、精神疾患であるとされています。

ただ、これをしてロリコン(ロリータコンプレックス)は成人(あるいはそれに近しい)男性が女児、幼女に対して恋愛感情を抱く状態をいい、(基本的に成人女性×男子児童のケースは含まれていない)ある意味、性指向と性嗜好の定義に照らすと、ペドフィリアが性嗜好をさしており、ロリコンが性指向を指すことになるのです。しかしいずれにしても児童との恋愛も性交渉もあり得なければ、児童ポルノという分野は世界中でタブーですし、世間に認められたところで一切の主張強度を保てない、実に不憫な性指向(性嗜好)といえます。

これは他の露出嗜好や動物性愛、窃視、過度のマゾ、サドプレイ、ネクロフィリア等も同様、一歩間違えば犯罪なのですが、彼らにもその性嗜好を謳歌する権利は有しているわけで、同時に人権的、人格的に差別されるいわれはない、というあたりも同時に論じるべきではないかと思います。

どうも私的には、LGBT以外の性指向および性嗜好をお持ちの方は、見て見ぬ振りをされているように思います。というか当事者らも触れて欲しくはないでしょうけど。

性同一性障害というのはGender Identity Disorderという医学用語で略してGIDといいます。「性自認と身体性の不一致」となります。

これに似たもので、Disorders of Sex Developmentという医学用語で、DSDと呼ばれています。俗に言われる「ふたなり」などはこれにあたりますが、要するに身体構造的に「どちらの性でもない」状態です。
遺伝子的な疾患であり、身体が男性あるいは女性の特質を不十分か、または重複して備えているという状態で、性自認が中性(Xジェンダー)であるということではありません。

長くなってしまいましたので、次回(あれば) 「LGBとTにおける婚姻問題 その2」に続きます。







スポンサーサイト



comment

post comment

  • comment
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackback

trackbackURL:http://chelm.blog37.fc2.com/tb.php/1877-542bff97