不屈のSW-1奮闘記 その2

2011. . 23
大層なタイトルつけてますが、そんなに奮闘してないんですけどね。

お約束どおりSW-1チェーンドライブ化の続き。興味ない人はとことんない記事なんだろうなぁ、これ。

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な、感じで出来ました。ふー

ま、ついでなんで駆動系のお話を少しばかりしましょうか。
前回の記事にも減速比という言葉が出てきたと思いますが、これはバイクや自転車乗っている人なら割と意識しやすいことなんですが、車はミッションケースの中に歯車というものは全て隠れてしまっていますからなかなかみることは叶いません。

そもそも減速比というのは何かといいますと、原動機の回転をそのまま伝えるのではなく減速して駆動輪の回転に変換する比率(レシオ)という意味です。

解りにくいですね。

エンジンというのはアイドリング時でも一分間に何百回転というスピードで回転をしています。仮にこれが後輪にそのまま伝わったらどうなるかといいますと後輪が恐ろしいスピードで回転します。この状態を減速比1:1とします。

すごいじゃん!って喜んでる場合じゃありません。

実はこの状態で後輪を駆動させてマシンを動かすことは不可能です。ほぼどんなエンジンでもクラッチをつないで走り出す前にストール(エンスト)してしまいます。

エンジンの出力(いわゆる馬力)というものは回転数とトルク値(踏ん張り力)で構成されており、いわばスピードと力強さがエンジンの能力を決めるのです。エンジンそのものにもトルクは当然発生しますが、駆動させるほどのトルクはありませんので、そこをミッションが補うのです。

そこで出て来るのが減速という作業です。

小さなギアで大きなギアをまわすと回転数は落ちますが力は強くなります。これは物理の問題で回転することで動力を得るものというのはこの物理原則からは逃れられません。
自動車やバイクは発進時に強力なトルクが必要となるため、速度を犠牲にして車体を前に押し出す作業をします。この時はエンジンの回転ばかりが上がってスピードは出ません。

ただ、このままでは走れませんのでミッションと呼ばれる変速機を使い、ギアの変更を行います。つまりこれが1速とか4速とか普段みんなが呼んでいるものです。ギアを上げてゆくと減速比が変わって、エンジンの回転をよりダイレクトに駆動軸に伝える比率にシフトしてゆきます。

車はミッションの変速機部分を一次減速二次減速(プライマリ・セカンダリ)と呼び、デファレンシャルに入力されるギアを最終減速(ファイナル)と呼びます。結果としてやっていることは同じなのですが、プライマリ・セカンダリは相互に作用し合い変速しますが、ファイナルはその車ごとに固定されています。

ついでにバイクのことをいいますと、ほとんどのバイクはエンジンとミッションが一体になっており、その中にプライマリとセカンダリが内蔵されていてエンジンミッションの区別はありません。ですからバイクではプライマリ・セカンダリとはあまり言いませんがハーレーなんかの別体ミッションがある場合、そちらをセカンダリなどと呼んだりします。(この分野でこういう言葉を覚えてもあまり役に立たないですけど)

ファイナルギアレシオというのがいわゆるチェーンとスプロケットの組み合わせを指します。バイクの場合は組み替えてファイナル比率を変更することが出来、それにより走りの特性を変更することも出来ます。

1967年までのVWのタイプ2はファイナルの後にドライブシャフトでも減速して倍力させてトルクを稼ぐ仕組みになっているため、ここをクリア(いわゆるストレートアクスル化)しない限りなかなかスピードを出すのが難しいという現状があります。

あと、メキシコビートルは、ドイツ製に比べミッションの内のファイナルレシオが大きいため、結果として最高速が伸びないという特性を持っています。なぜそういう設定にしたのかはわかりません、メキシコ人にきいてください。(普段乗りでストレスに感じるほどではないですけどね)

また、同じドイツ製でも年式や排気量によってギアレシオはかなり細かく変わっていますから、どれが良いのかと言われてもエンジンとの組み合わせもありますので一概には言えません。

と、いう感じで、多分全然判らない話になってしまったかもしれません。

ので、解りやすい例えを申しますと。

自転車は人間の踏力を回転力に変える乗り物ですが、実は自転車の基本は「増速機」でペダルの回転よりも常に三倍ほどの回転数で後輪が回っています。ママチャリのギアレシオはだいたいどんな人間が乗ってもそれなりに走るように設定されていますが、より速く走るためのスポーツ車などにはちゃんと変則機構が付いていますね。

ですから

自転車競技は自転車の性能もさることながら、エンジンにあたる踏力を生み出す人間個人の能力が勝敗を分けることになるのです。

と、よけいややこしくなったかもしれませんが、面白いものですね。
どんなに技術が上がっても回転力の物理原則からは逃れられないというのは。

ただ、自動車が完全な電気駆動(たとえば独立軸駆動、ハブドライブ)するようになったらこの理屈も通らないんですが、しばらくは実現しないでしょうし、その前に車が宙に浮く日が来るかもしれません。

ということで。隠れながらにテクニカルなお話でした。

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