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ミッション・インポッシブル T2 LATE

2022. . 25
とりあえず、ミッション修理やると、いつもの如くあちこちに部品が転がる。

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今回、事の経緯を追って書くと、まずレイトバスのミッションが壊れた。ココまでは普通のこと。
で、中古のミッションでも探そうかということだったのだけど、どうせ積むならリビルトのほうが良いんじゃネェかな、ってことで、リビルトミッションをみてみると、入荷待ち。

リビルトミッションはいわゆる輸入品なので、色んな世界情勢の影響下で、海外部品というのは手に入れづらくなっている。自動車やバイクだけでなく、色んな分野で影響が出始めています。
平和な国の我々は、そういう理由だけで戦争に反対しても全然オッケーだと思います。我が国の領土? そんなん知るか。

もちろん、納期は未定。いつになるかわからんとパーツ屋が言うもんは、半年か一年後かもわからん。

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こりゃイカンということで、やはり中古を探すことに。
ところが、ない。
中古なのであまり高くでは買いたくないのだけど、そもそも出回ってない。
あったとしても、中身の保障が出来ないものがほとんどなので。もちろん壊れていてもノークレーム、最悪は部品取りか鉄くずになる。

ミッションってのは大抵オイルをぬけば壊れているかどうかの判断はつきます。
真っ黒いオイルは、オイル交換してないずさんな管理されてたミッション。オイルがまろやかな黄金色に輝いていたら、シンクロギアが摩耗している。最悪これは壊れ判定ギリギリ。このオイルにはっきり手で触ってわかるほどの金粒が混じっていたら、シンクロ破損でアウトです。さらに銀色の鉄っぽいものがでてたらギア欠けやベアリング破壊の可能性大なので、いずれにしても分解修理が必要になります。(だいたいドレンプラグにマグネットが付いているので、破損した部品はそこにくっついている)

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ま、そこまで調べて売り手が中古部品を売ってくれるのならば、判断もつきやすいんですが、そのような手間をかけてくれる中古部品屋さんはまずないです。

なので私達でも、中古を買うときは丁半博打の一発勝負です。

ま、結論から言いますと、二回勝負かけて二回負けました。
なので手元に、壊れたLATEミッションが三つ。
絶望的な光景が広がってましたが、絶望のすぐ隣に希望はあるものです。
全部合わせたら一個くらい出来るんじゃねぇのかなぁ? と。

そんなわけでスワッピングパーティです。

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今まであんまりやらなかったので、詳しく調べたことがなかったのですが、LATEのミッションだけでもかなりの種類があり、初期は68年、タイプ1エンジン用のもの、後期はクラッチが変更になり、その後タイプ4エンジン用となり、ミッションマウントなども変更になる。おそらくその後だと思うのですが76年からデフのアウトプットシャフトが太くなっていたりで、アップデートされてます。厳密にどこから何処までが使えるのかよくわからないので、その部品の選定に時間がかかったのですが、LATEのミッションはノーズコーンとトランスミッション、デフとクラッチハウジング部の3ピースに分かれるので、実は組み替えれば全年式どれでも載るんではないかと思う次第。

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ただ、初期型の70年までのものと71年以降のクラッチハウジングは微妙に大きさが違い合わせ目で段差が出来ます。ボルト位置も合い、互換性はあるのですが、ここでミッションのケースが一度作り直されたことがわかります。

タダでさえ数が少ない部品群で、こういう微改良とか気になるので、毎度愚痴りたくなるもので、うだうだ言いながら作業進めてましたけど。本当に、微妙にあちこち違う。

それはさておき今回思ったのは、1968年を機に、旧来のEARLYバスからLATEバスに切り替わったと同時にミッションも刷新されたのは、本格的にトランスポーターとして世界に販売する車両として見据えたときに、必要なコスト削減と製造工程の簡略化だったのだろうな、という気はします。明らかに、EARLYミッションよりも簡単な作りになっています。
また、エンジンが新シリーズになってもミッションは利用できるように、クラッチのハウジングを別体にして交換できるようにされていたのではないだろうかと。

反面、タイプ1の方は構造的に変更を据え置かれたのは、ある意味、成功を重ねてきたあの時点からの失敗を恐れたからかもしれません。実際1967年式はコケてますし。
まあ、67のトラウマというより、六年後にFFの水冷ゴルフがリリースされることも考えると、このあたりで開発計画はあったでしょうし、乗用車におけるRR空冷ビートルには見切りを付けようとしていたのだと思います。

でも、タイプ2は空冷のまま、大きく変身を遂げた。もはや別物と言ってもいいほどに。
これは全くもって私の恣意的な状況証拠的考察ですが、EARLYタイプ2は全般にけしてよく出来た車ではなく、初期に開発されたときからあまり設計が煮詰められないまま、惰性で生産されてきたのではないかと思います。

それは車両の性格からして一定のニーズがありましたでしょうし、黙っていても売れたから。商工用の小型バンというカテゴリーは少なく、乗用車のように多くライバルがいたわけではなかったし、審美性よりも利便性を求められた。なによりパワーユニットだけは馬鹿みたいに信頼性高かったから、動けば良い、という層には支持され続けたのではないかと。

しかしながらワーゲン社としては、世に名だたる自動車メーカーとして、どこかの段階でこの古くさい設計のタイプ2に、ドラスティックな刷新を行いたかった。

12ボルトにして、フロントガラスをスプリットからベイウィンドウに、サイドのカーゴドアを観音扉からスライドドアに、足もボールジョイント&IRS+ダイゴナルアームでイケイケ仕様、ホイールも現代的な互換性のある小径112PCD、と。
なにより、アーリーバスの後ろ足のとってつけたような倍力装置、リダクションギアを取っ払いたかったのではないだろうかと。その過程で、トランスミッションも思い切って変更された。(AT化という思惑があったそうです)

ま、見事にその目論見は達成され、LATEバスはEARLYに負けず劣らずヒット作となり、その後のT3ヴァナゴンや、T4ユーロバン等へと系譜が引き継がれてゆくわけです。(現在T7 プラグインハイブリッドになっているそうです)
ただ、惜しむらくは、よく出来すぎて乗り物として個性を失ったが為、普通の商用車としてヒットはするも、次から次に襲いかかる各メーカーの追い上げというチキンレースに巻き込まれることになります。
小型商用バンなど多様化、高性能化、エアコン、オートマや水冷車、軽などの安価な個体の登場で、押し出された旧臭くエアコンもついていないようなLATEバスが無下にスクラップにされたであろう事は想像に難くなく、さらにその後も長らくヴィンテージカーとして認知されにくい不遇の時代を経たため、今ではEARLYに負けず劣らずの人気者ですが、EARLYバスよりも個体数が少ない状況で、よい個体に出会うのはなかなかな状況かもしれません。

私は、まあ、よい車だと思いますよ。











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