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CB72のクラッチ交換

2021. . 10
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冬になったらピットインする、お馴染みのCB72。

今回は壊れたわけではなく、各種部品の交換作業。
まずはクラッチから。

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バイク屋さん的には見慣れた光景ですが、向きが今のバイクとは逆ですね。CB72はドライブチェーンが右側にあるので、全ての機構が今の国産バイクとは逆側にあります。これがいつ左側ドライブチェーンになり、統一されていったのかは定かではありませんが、現況一部の外国車や、競技車を除いては殆ど左側にチェーンがついていてクラッチは右側、発電機が左側となっています。

何故そうなったか、というのは諸説と憶測が行き交いすぎて断定できません。検索してみても、「マフラーが右だからチェーンが左についた」というような訳のわからないことをいっている人もいますが、実は理由なんてなかったのかもしれないというのが正直思うところです。

というのも、結局何が正解かという答がない黎明期に、多くの車両が様々なメーカーによって生み出された結果、都合のよいものが残っただけではないかと。
特に開発初期ともなれば、先代の外国車等のレイアウトを参照するでしょうし、何故そう作っているのかを研究するはずで、まるっきり一から作り出すようなことはなかなかしないはずです。
ですが、バイクというのは部品の単位が小さく、一つの部品を作るのも、その部品を改良改善するのも容易であったから、次々と新たなアイディアが盛り込まれたのではないかなという気はします。

ある程度エンジンや車両の技術的なセオリーが判ってくると、エンジニアは、こぞって自分の設計したレイアウトがバイクの世界の標準となるであろう事を夢見、独自の技術をぶっ込んでいったのではないかとおもいますし、野望も意地も夢もあったのでしょうと思うんです。

で、このホンダの右側チェーンレイアウトですが、CB72の頃といえば60年代も後半、国民生活にすっかりバイクが定着しています。

同じホンダでも当時既にリリースされていた、カブやベンリィなど左チェーン車の方がむしろ主流で、国産の業界を見渡しても左チェーンが主流になりつつあったようです。
右チェーンはドリーム系のスポーツラインに限っていたようにも見えますが、この後ホンダは周囲のメーカが何処も左チェーンになったのを境にして、(おそらく新開発エンジンもあってですが)CB72の最終からほどなく右側チェーンのレイアウトバイクから手を引いています。(他車種と部品の共有化によるコスト低減という合理性もあったと思われます)

ま、さすがに最後まで気張ってみたものの、空気読んだというか、そういったところでしょうか。

今もホンダが自動車界では意固地にエンジンの逆レイアウトを貫くのとおなじく、当時も負けん気だったのかな? という気風が感じ取れるようで微笑ましいです。
今やバイクの業界ではまさに冒険をしない、スタンダードで、セフティなバイクを作ることで定評なホンダに収まってしまいましたが、それはそれで世界を制したホンダとしての矜持の表れでもあるのかもしれません。

なんかロマン語って長くなった。

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いつもどのバイクのを作業しても、見た目では殆ど減りを感じられないクラッチディスク。
互いに触り比べてみたら、わずかな厚みの違いは感じます。

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新旧でバネ長がこんなに違う! そりゃあ滑るわな、とおもったらバネレートが違ってたりする。いいのだろうか?

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で、ここを開けるのは二度目なんですが、遠心分離式オイルフィルター。
これ面白い機構なんですが、今回開けてもやっぱり鉄粉とスラッジがかなりたまっている。

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当然前回と同様に清掃して戻しましたが、構造的にスラッジがでやすいのでしょうか。
現在のバイクであれほどの量が出ていたら、オイルフィルターが簡単に目詰まりしてしまうと思います。だからこそ遠心式のフィルターを採用していたのか、そこのところはよく判りません。

そんなわけで、過去の人に作られたものを覗いて見れば、色々と想像が湧いて楽しいものです、という話でした。
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