
いつの間にやら並木も色づいて、すっかり秋ですね。
秋なので、今日はメキシコビートルの後席にシートベルトをつけましょう。
後席シートベルトの義務化は2008年の道路交通法の改正によるもので、シートベルトを備え付けている車両は必ず後席乗員も装着せねばならないことになりました。
で、ここからは一般の方にはまるで関係ない話なのですが。
まず、シートベルトを車両に備え付けなければならなくなったのは、いつからかと申しますと、少し歴史があります。
1969年(昭和44年)4月1日以降に国内で生産された普通乗用車(定員10人以下、軽自動車を除く)は、運転席にシートベルトの設置を義務付けられた(軽自動車については同年10月1日生産車から)。
助手席のシートベルトは1973年12月1日、後部座席のシートベルトについては1975年4月1日以降の国内生産車で設置が義務付けられました。
つまり日本の法律上では、約4年間くらい、運転手だけがシートベルトをしているという変な状況があり、お父さんだけ助かって家族全員が車外に投げ出される悲劇、なんてのも実際にあったかどうか解りませんが、可能性としてあったわけです。
さらにこの当時は、腰部分のみを固定する2点式シートベルトが主流でしたが、1975年4月1日以降は、フロントの座席に関して基本的に3点式のシートベルトが設置させるようになります。
でもまだ後席は2点式の時代が続きまして、ついに長い年月を経て、
1994年(平成6年)4月1日以降は後部座席の側面席(3人掛けの左右)が3点式設置になりました。ただ真ん中席は2点のまま。
そして、そりゃネェだろって事なのか18年も経ってから、
2012年(平成24年)7月1日以降は全ての座席を3点式シートベルトにすることと定められました。
察しのいい方はここでピンとくるはず。
メキシコビートルって1994年にはあったよね、と。
でも後席にシートベルトついてないよなぁ? (ついている個体もあります)
なのでたまに、シートベルトつけてくれっていう依頼があるのですが、これがすんなりいかないものがあります。

クォーターの窓を外して内張をめくります。 ハイ皆さんもうこの時点でDIYは諦めましょう。

これは別の車両ですが純正はこの位置に三点のマウントナットがあります。(ちなみにこの車両は1972年です。すげぇっすねVW社)
ですが、めきびーは

穴空いているだけ……
なんで穴だけ開けるんだよ。
つける気ないなら空けるなよ!
仕方ないので、ナットを溶接します。

ガッチリ火花ガードして、コソコソとセコい溶接をします。

なんかよくわかんないですけど、火事にならずに溶接できました。ほんとうなら内装剥がしてやるもんですけどね(危険なので)

いちおうついたよ。
そんなわけで、1994年以降の車両で、後席に二点式シートベルトしかついていない車両は厳密に言うとアウトなんですけど、そこはまあ、今回みたいに大きな手間をかけるしかないってあたり、なかなか二の足を踏むところですし。
ご要望があればもちろん施工します。
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