ワーゲン四方山話 その5 「ワーゲンの車高 フロント編」

2010. . 14
どおうも、てんちょです。

なかなか涼しくならない秋の夜長ですが皆様いかがお過ごしでしょうか?


たばこが値上がりし、愛煙家の方々はさぞこの不況に追い討ちをかけられる気分でありましょう。
しかしながら、嫌煙家の方々は「ならやめれば良いのに」などと簡単に申されるわけです。
嫌煙家の方々は知らないのかもしれませんが、喫煙者はですね、ニコチン中毒というやむにやまれぬ事情を抱えているものなのですよ。
 どのような中毒でも、そこから離脱するというのはヒジョーに厳しいものがありましてですね、だからといって溺れていいわけではありませんが、中毒物質が簡単に買える土壌においてはなかなかそれを抑制することも難しいと、そういう事情をぜひ知り置いていただきたいなと。
 少なくとも個々の愛煙家に対し伏流煙で健康被害が云々言う前に、たばこを販売する専売公社か販売を許可する国を訴えてはどうかとは思うのですがね。

という、てんちょも只今節煙キャンペーンに突入しました。

あれ、前に禁煙してなかったっけ?

いいや、そんなことをした覚えはありませんな!

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そんなわけで今回も長い、車高の話でやんす。

車高を下げるということを俗にローダウンといいます。車に少しでも手を加えたいと考える人であれば、インテリア、エクステリア、アルミホイールに続きたいてい次は車高を下げることを考えるでしょう。

まじめな事を申しますと

 F-1などに代表されるように、その手の車の車高は速く走る為の理にかなっていますのでなにも悪いことではありませんが、車体の機能を著しく低下させたり、本来の性能をスポイルするようなローダウンはやはりお勧めできません。というのは立場上付け加えておかねばなりません。
しかしながら、そのようなデメリットも踏まえて車高を落としたいと考えるオーナーも少なくないのは事実ですし、相変わらずローダウン市場は活況です。

 俗に言われることですが非常に不思議な現象ですが、景気が悪いとローバランスなものが氾濫する傾向にあるようです。むしろそれは治安が悪くなっているといってもよいのでしょうけども、車高が低い四輪車をはじめ、バイクなどもアメリカンのような低くて長い単車が目立つようになります。流行のビッグスクーターの改造方法も主にはロー&ロングですよねぇ。不思議不思議。


 ちなみに逆に景気がいいと、高級な車(当然ですが)高機能な車(後席按摩器とかね)そして特筆すべきは背の高い車(!)が目立ちます。おそらくそれは「無駄さの象徴」ともいえるのではないかと思うのですが、これは心理的にどっしりと車体に不釣合いで不必要な足回りを求め、低く安定したスタイルを求めるのは、自らの身持ちの不安定さからくる不安感の裏返しだと心理分析している方がどこぞにおられましたが、本当にそうだとしたら笑えます。
 不景気の真っ只中でもITバブルで儲けたような一部のお金持ちはヒルズのような高いところに住みたがりましたが、馬鹿と煙はなんとやら、とそれもまた真を突いているのかもしれません。

 まあ、そのような人間の心理が求めるものに社会が反映されるとする説も面白いものですが、単純に車高を低くするには極端な話サスを抜けばいいのに対して、車高をあげる場合は「何かを足す」行為が必要とされるから、プラスしなくてはいけないか、マイナスするだけでよいか、という経済的な事情が反映しているというもっともな話もあります。


 思えば若者がズボンを腰履きするのもローダウンなのかもしれません、少し前に流行った厚底の靴や、やたらとでかいスニーカーも、同じ流れかもしれません。
日本のバブル時代というのは男も女も逆三角形のスタイルが多く今とは逆です、つまり上にボリュームがあるという状態ですね。

 商売人も大名商売から平身低頭、初心に戻りお客様は神様ですといえば、学校教育は低学習指導要領(いわゆるゆとり教育)を実践し、男性のエロ対象は(エンコウにはじまる)低年齢化がすすみました。

 そこから5年、リーマンショックを受け世界大規模不況の到来により、株価も下がると土地値も下がる、物価も下がれば給料も下がり頭も下がる。上がったものと言えば失業率と日本人の平均年齢くらいか。

デフレスパイラルってのももはやどこかしらけた空気が漂う言葉であります。

 車のローダウンに話を戻しますと、今やワーゲン界でもローダウン旋風が巻き起こっているのですが、わりと手軽に車高を落とすことが可能なパーツがリリースされたのも大きいでしょう。
 まあ、一部のコアなローダウン信奉者はパーツの加工をしてさらに落とすのですが、これがセンチかミリ単位での低さの競い合いになっていたりもします。

 ですが、あえて車屋の見地から申しますと、車検通過の最低限度として地上高9センチを確保しなさいと運輸省陸運局からは通達されていますので、これ以下の車高は違法改造になりますです。

 この「9センチ」根拠はあるのかと申しますと、あくまで好意的に考えると10センチではなく9センチというのは、運輸省が出来るだけ多くの種類の車が日本国内を走れるようにギリギリまで譲歩した結果だったのではないかと言うことです。もしくは邪推を含んだものの言い方をすれば当時の高級官僚が最低地上高9センチの外国製高級スポーツカーを買ったか何かです。

 しかしながら実際9センチ以下の最低地上高の車に乗ると、いずれかの公道設置器材に干渉したり、わだちに乗り上げたり、最悪起伏のある踏切などで「亀」になります。(サスのストローク分で実際は、空車時9センチでも走行中は当然それ以下になっている)

 予備知識として知っておいていただきたいのですが、いずれのケースであっても最低地上高9センチを確保していない車は車検の通過は無理です。
 稀に、並行輸入車など型式認定されていない「型式不明車」などが、輸入時の車両規定合致検査などを巧くかいくぐり車検証の全高に対して最低地上高が合わないものが存在します。

 無論ながら基本的には車検証上の全高の変化は最低地上高の変化でもあるわけですから(地上高を変化させないで全高を変える事は実は出来ますが、とっても面倒くさい)車検証表記の全高から車高の変化がある場合で、最低地上高が9センチを確保できていない車両は当然「あとから違法に車高を下げた」と判断されるわけです。

 さらに、車両規定合致検査の段階で最低地上高が9センチを確保していない車はその時点ではねられますから、基本的にそのような車は日本国内には存在しないはずで、車検も通過することはありえません。(通過させる理由がないということです)

と言うところが日本における大筋のローダウン限界事情です。

 では、車高をいじることにおいてどのようなメリットが発生するのかと申しますと、そもそもの車高から下げるなり上げるなりしても、公道上では何のメリットもないと考えてもかまいません。

 ただこれは目線が違えば意見も変わります。オフロードのレースシーンなどで四駆等がリフトアップするのは本来は最低地上高を稼ぐため、走破性のよい大径のオフロードタイヤを履くため、視認性を確保するため、サスペンションのストロークを稼ぐため、おおよそこのあたりに収斂されてゆきます。

 対してローダウンはロードレースシーンにおいて走行風圧を車体が浮き上がる原因となる底周りからの走行風の巻き込みを防ぎトラクションを稼ぐため、そして低重心化してコーナリング時の過重移動を抑えるため、直進時の空力抵抗を減らすため、といえます。
 ただ、お解かりのように、それはあくまでクローズドな限定環境内であるから可能(必要)な話であり、鈴鹿にポイ捨てされた空き缶や歩道の段差はないということです(モナコはあるかもしれませんが)

 無論車高を落としたことにより最高速度への限界帯域が広がる可能性はありますが、これらは公道上で制限速度内で走る分にはさほどの影響ではないことは言うまでもありませんし、なにより公道で速いか遅いかというのは個人のドライバーの資質が大きくかかわってきます。

 レーシングカーのシャーシレイアウトというのは決まったシーンを走行するにおいて、さらに能力が拮抗したもの同士間においての究極的な選択であって、何も格好がいいからやっていることではありません。

 たしかに公道市販車でもフロントを少し下げれば乗りやすくなる車種もあります。道路もよくなった日本国内においてはサスペンションのストロークも多くは必要がありませんし、最低地上高も低くできますから、従来のものよりも低くなる傾向はあります。

 特に旧車などは前時代の未整備道路を走破するために、ある程度ゆとりを持った車高を確保しているもので、スポーツカーと銘打っておきながらもわりと車高が高いものでした。
ワーゲンにおいてもそれは言える事でして、世界中にディストリビュートされている固体だけにあらゆる環境に適応しなければ売れないわけです。ああ、逆に言いますと適応していたから売れたわけですね。

 ただ、だからといってワーゲンの車高を低くするということを否定していてはあまり面白い話ではありませんから。実際、車高を下げるとどのようなメリットがあるかと申します。

 RRの空冷ワーゲンは重量バランス的に、ほおって置いてもリアがへたって落ちるという宿命を背負っているため空車時でも(すべてを語ると膨大になりますのでここはタイプ1だけに限って申し上げます。)自然と前上がり気味になってしまっている固体が多くおります。
 前後輪にかかる重量で配分は800キロの車重に対し前軸重約300キロ、後軸重500キロといった具合で、約200キロの重量差があります。

 そこへもって高速走行などをすると、駆動する後輪に荷重がかかりさらに前輪が浮き上がったような感覚になります。(実際浮いているのですが)底は走行風が巻き込みさらに車体を持ち上げる、とまあいった具合でして。そのためフロントのトランクにブロックを何個か入れて重くして安定を得るという方法もあります。

 んが、しかしそれだけでは車体が重くなりフロントのトランクスペースをも犠牲にしなければなりませんから合理的ではないということで、フロントを下げて荷重の移動を制限するという最も単純な方法がとられます。
 フロントローにすることにより後輪軸に引っ張られる車体を制限すると、リアに必要な分だけの荷重がかかりトラクションを稼ぐことができ、さらに車体自体が前下がりになるため前面走行風の巻き込みを抑え、ダウンフォースを稼ぐと(笑)

 まあ、フロントに関しては割合メリットが生じますというのがこの回での結論ですが、極端にフロントローにしますとキャスター角が深くなりハンドリングは良くなりますが、直進安定性が悪くなるため、結果として乗りにくい、乗り心地の悪い車になるということは理解しておいてください。

長くなってまいりましたので、リアは次回に持ち越します。


全部読む人いるのかな?笑

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