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箱王

2020. . 11
てんちょのあやしいはなし

楽器箱に潜んだ偉人伝が、いつか語られる日が来るのか。

えー個人的には、すっごく好きです。ゴーンの逃走劇。
ツイッター上では、タンスにゴンならぬ、ケースにゴーンとか、かなりネタにされていて、

ビーンhas been toレバノン  (ビーンはレバノンに行ったことがある)
ゴーンhas gone toレバノン  (ゴーンはレバノンに行って帰ってこない)

など、Mrビーンとゴーンを並列させてる訳でして、これ面白いのが改めてみると両者かなり似ていて、「ビーン、ゴーン見分けゲーム」とかもネット上に転がってたりする http://www.beanorgone.site/

で、これ

EN5xY8PUEAAZUcs.jpg

辻仁成のツィートに寄せられた画像で、どなたが作ったのか実に秀逸。是非とも海外渡航する音楽家の方には楽器ケースに貼っていただきたい。

というのも辻仁成氏は、ミュージシャンです。小説家として知らない人は殆どいないと思いますが、執筆活動前まではバリバリにロックミュージシャンです。

現在はフランス在住で、そのせいで、先日酒呑み仲間に絡まれ「日本人はゴーンに恥をかかされたな!」と笑われたそうです。そこで、仁成が「ああ、日本人は楽器箱に潜んで無様な逃亡するような生き恥は晒せないから。さすがフランス人だな」と言い返したそうです。すると周りにいた飲み仲間たちが、あいつはレバノン人だぜ、と口々に言い出して全員が慌てて頷いたそうな。

要するにフランス人でも「ありゃあかっこ悪い」と感じているという事を示す端的なエピソードです。ま、レバノン人はかっこ悪いと思っているかどうかは解りませんけど、世の中には「命あっての物種」という言葉もありますし「三十六計逃ぐるを上計となす」または「三十六計逃げるに如かず」といいますから、考え方はそれぞれですが、そもそもゴーンは過去の著書の表に「カルロス・ゴーン 国境、組織、すべての枠を超える生き方 (私の履歴書) 」と書いていらっしゃるので、元から何にも縛られて生きないという考えなんでしょうし、法まで乗り越える実践的な人だなぁと捉えるのが良いのかもしれません。

リスクをとってチャレンジし続ける、なんてのも有言実行しちゃってる(ただし金は必要)

一説によると、レバノンでは英雄視されている側面もあるそうで、レバノンの経済を立て直し、その功績をもって大統領のイスを狙っているとかなんとか、ですが。

もう一連の楽器ケースで逃れた話が面白すぎて、一生ネタにされ続けるだろうなと。
たぶん飛行機乗る度、楽器ケースに入ったのかどうか突っ込まれるだろう。
というか、ゴーンと楽器ケースがもはや切り離せないものとなり、いま高校生あたりの吹奏楽部では、楽器ケースの中に入るネタで大盛り上がりしてたりするんではないだろうかと。

このタイミングで、ゴーンが入ったとされる製楽器ケースのレプリカを、直筆サイン入りで販売したら売れると思う。

で、まことしやかに囁かれているのが、民間警備会社という特殊部隊が暗躍した可能性で、別名民間軍事企業(PMCとかPMF)とか呼ばれていまして、端的に言えば、殺人、誘拐、窃盗、詐欺、クラッキングにスパイ行為、軟禁、拷問、各種破壊工作、情報操作要人警護、犯罪者隠避、動物保護から慈善事業から育児英才教育まで、あらゆるサービスを金で請け負うプロ集団です。

軍隊や傭兵と違うのは、軍隊は国家が保持する戦力で傭兵はそこに金銭で(個人か少人数で)雇い入れてもらう戦力。
民間軍事企業は、それ単体で小隊や大隊、あるいは軍隊そのもの規模で運用されるため、戦局を左右するほどの戦力たりえることがある。また基本は金銭で動くのでイデオロギーに左右されず、当該国との軋轢も基本的にない純粋な戦闘マシンとして暗躍できる。故、基本的に法などに縛られることはないし守る義務もない。守ったところで何の得にもならない。

これ、簡単に言うと、派遣会社なんです。プロの殺し屋の。ま、他の分野のプロフェッショナルもたくさん所属してるでしょうけど。

いかがわしいですけど、過去にイギリス軍が雇い入れた最強の兵士と呼ばれる、グルカ兵ってのが有名です。
グルカ兵はネパール方面の山岳民族出身の兵士を総称しており、非常に身体能力が高かったことで、当時インドに進出していたイギリスの雇い兵となったのがきっかけだそうです。そこからイギリスが関わる紛争地には必ずといっていいほどグルカ兵が暗躍していたといいます。実際に日本軍とも戦っているし、占領政策の際も日本に来ているそうです。

で、なんでネパール人がイギリスの手先になんてなるんだ? と思われるかもしれませんが、要するに大して裕福でもない国にとって、外貨獲得の手段は限られており、要は「ちょっくら父ちゃん、出稼ぎいってくらぁ!」 というノリだったんですね。なので、特にどこの国に恨みがあった訳ではありません。そもそもエベレストの麓に住む(なので心肺機能がめちゃめちゃ高かった)民族にとって世界情勢など、文字通りどこ吹く風だったわけですから。

グルカ兵が生まれたのは、まだ、エベレストの登頂もされてないどころか、エベレストが世界最高峰であることも確認されていなかった時代です。
現在ネパールはエベレストの代表的な入山ルートがある国として、入山料一名につき、約100万円と、エヴェレストを上手く観光資源として活用しており、こちらも外貨獲得の重要な手段となっていますが、このエヴェレストで活躍する荷運びを生業とするシェルパの中にも、元グルカ兵という御方がいることも事実。もちろん退役してますから関係はしていませんが。

ま、話が逸れましたが、とにもかくにも時代が降り、グルカ兵は最終的に傭兵という立場から、GSGなどに代表される、グルカ・セキュリティ・グループが巨大な民間軍事企業として名を馳せ、世界中で合法的にグルカ兵が暗躍する土壌を形成することに成功したといいます。

で、ゴーンが利用したのが、どこの民間軍事サービスだったのかは明かされていませんが、考えてみればキナ臭い話だって事は日本の皆さんは肝に銘じておくべきかと。
要するに、企業のトップくらいになれば非合法な組織に非合法な方法で、合法的に事を収めたり進めたりすることに何ら後ろめたさを感じないという話で、そこには当然コロシなども含まれると考えるべきです。

かなり早い段階からゴーンがどういう経緯でレバノンに逃げおおせたかが露呈している時点で、ゴーンがこれらの組織に対して多額の費用を支払ったこと、それにより国外脱出するのは当然の権利とし、逃げてはいるが隠れていないという時点で、後ろめたさはないことに注視すべきです。

私は一国の法など軽業師の如く華麗に乗り越えてみせるのだ、との喜色満面ぶりではないかと。

雲上の人物ゆえ、地を這う我々のせせら笑う声はどうやら届かないようで、拳を振るいママに会いたいと熱弁したところで、その気持ちを斟酌してくれる者などどこにおろうか。

これでレバノン政府および、レバノン国民が彼を庇い彼を称賛したなら、世界は尚レバノンも巻き込んで嘲笑することになる。
いっそ、楽器ケースを輸出産業にし、経済の立て直しを図ってはどうだろうか、と。

そうなれば一〇〇〇年後くらいには、巌窟王(モンテクリスト伯)みたいに、童話なんかになって、全世界の子供達が知る人物となろう。

ただ、彼は死ぬまでは「箱王」と呼ばれ続ける人生だし、民草を導く人徳も、資格も、権利も持ち合わせないまま、金を持って棺に収まる人生でしょう。

私は彼がそれほど悪いことをしたとは思いません。

でも、しょうもない事をしたと思いますし、正直なところ一般の人よりもしょうもない私よりも、さらにしょうもない男だと思います。

そんな私から日本の歴史的策士が弄した中国大返しのごとく、一計を授けよう。

カルロス・ゴーンよ。しょうもない男だと思われたくなかったら、再び密かに日本の自宅に舞い戻り、ローワン・アトキンソンを巨額の金で雇って、「レバノンにいたのはMrビーンだ!」と豪語しろ。

そんな想像まで膨らませてくれる、元日産CEOに、わたしは感謝しています。

やっちゃえゴーン。








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