ワーゲン四方山話その2 「ワーゲンのボディ」

2010. . 24
えーと、最近はなんでしたっけ?

そうそう、角界が賭博汚染だとか。野球賭博だって。

どうせやるなら自前でやればいいのに、相撲賭博。というよりそれほどまでに裏業界と密接な関わりがあるのなら、公営ギャンブルにすれば低迷する相撲人気も回復というものではなかろうかと。

と、いうか大関レベルの関取が金をチンピラに脅し取られるほど角界の力は低下したのか、それともそれ以上に巨大な組織が裏で暗躍しているのか、そっちのほうが興味ありますです。

ちなみに私は一切ギャンブルやりませんし、スポーツにも全然明るくないですから、ワールドカップで燃え上がる人々を見て幸せな人々だと日々感心しております。

どうせなら参院選にでも賭けたほうが色々とメリットが出そうなものですけどね。下馬評もしっかりしてますしなかなかやりがいのある丁半博打ではないかと。

さて、そんなところから本日はワーゲンのボディの話。
以下に続く↓


 「丸い車」といえばワーゲンしか思い浮かばなかった世代というのは過去になりつつある昨今でして、現在は筐体(シャーシ)設計と鋼板(パネル)加工技術が進んだこともありほぼ思いのままの形が作れるようになりまして、別段丸い車は珍しくもなくなりました。
 
と、このお話の枕にしたい所ですが、自動車史の一部分を除いては実のところ丸い流線型の車のほうが多いともいえます。実際図鑑などで見たこともおありでしょうが、古い車50年代あたりなどになるとかなり丸みを帯びたデザインがなされていますし、別に現在まであのような複雑なパネル曲げ加工の技術がなかったわけでもございません。

元来車というものが開発されるまでどのような経過をたどったかと申しますと、古くはローマ時代の戦車あたりになるのではないかと思われますが、そこから千年位は有機的原動力に頼る車両「馬車」「牛車」あたりで留まっておりました。
「自動車」という言葉が生まれるには「原動機」の開発を待たねばならないわけで、それでも走るための原動機というものを搭載した乗用車はさらに工業技術の熟成を待たされることになりましたから、自動車史というものは小型の蒸気機関に始まるせいぜい200年程度のものだったりするわけです。
そこからガソリン内燃機関が開発実用されるまでさらに100年程が必要でありまして、無論ながら石油の採掘と燃料精製の技術は原動機の開発ともリンクするわけです。
ちなみに世界初のガソリンエンジンはベンツ、ちょうどエジソンが電球を発明したころの話で、このあたりから地球文明は機械化が始まったのでした。

さて、当初の自動車の体はと申しますと、歴史の流れからして「馬のいない馬車」のような形でして、それはまあご想像の通りの代物でして、まずは四輪で独立することが最大条件で、一名ないし二名が安定して着座できるシート、操舵を決めるステアリング、エンジンのコントロールをするアクセル類、制動装置といったものが必要に駆られて追加されてゆきました。これらは馬車にはなかったものですから。(サスペンションは意外と昔にあります)
これら自動車として成り立つ装置を取り付ける場所をシャーシ(台車)と申しまして、極論すれば自動車はシャーシと原動機さえあれば機能する走行機械なわけです。

ただ、そういった裸の状態というのは何かと都合が悪いものでして、というよりも馬車のころからすでに乗り物の架装というものが行われておりましたから、台車にボディを乗せる工夫にさほどの時間はかかりませんで、いわゆる現在の車の形へと近づくことになります。

話が長くなりますので一気に時代を下りまして、自動車がある程度市場を形成するようになる1930年代、各社のメーカーというものが乱立してゆきます。そこで原動機や機構、構造体などの開発競争はもとより、ボディのデザインやインテリアなど「ただ走ればいい」といった範疇に留まるところなく各社が車作りに力を注いでゆきます。やがてボディが空力や視界、パワーとウェイトのバランス、取り回しとパッケージ、といった走行性能、用途にかかわることが立証、実証され、さまざまなボディが生み出されてゆくことになります。

で、いい加減ワーゲンのボディの話をしろという声が出てきそうですので、ワーゲンがなぜ丸くなったのかと申しますと、キャッチーな外観で女の子の心をわしづかみに出来ると画策した企画班の仕業でもありませんし、失われたアークに熱心だったナチスがスカラベオに似せて作ったわけでもありません。(多分)
ですが、かの総統閣下が持ち前の絵心から工業デザインに精通していた、というのはあながち冗談ではなく、最初の「一枚」を書いて見せたのはアドルフ・ヒトラー自身で、それはまさに「タイプ1」そのもののスケッチでした。

しかしながら、ワーゲンのデザインはなるようにしてなった、というのがおおむねの答えであり、逆に言えばこうにしかならなかった、ともいえるのがワーゲンのボディです。
話が長くなりますので当時のナチスの国民車構想の概要というのをかいつまんで説明しますと。

大人三人子供二人を乗車させて、時速100キロで走れること
燃費が14.3キロ以上であること
空冷エンジンであること
価格が1000マルク以下であること(これは庶民が購入できると思える金額)
エンジンの互換性、汎用性がある
部品の互換性がある、換装が容易など


まあ当時としては相当無理な注文だったようですが、そこはそれ天才ポルシェ博士がやり遂げました。
歴史的には実際には庶民の手に届く以前に戦禍に飲まれて有耶無耶になってしまったのですが、設計は完成し、生産体制も整っていたことから、戦後復興の象徴としてフォルクスワーゲンは世界に羽ばたくわけです。

話がそれましたが、ワーゲンに求められた条件として、丈夫であることはもとより、低燃費低価格や高級車並みの走行性能と積載能力は必然的にボディが簡素にならざるを得なかったものの、鋼板の使用を抑え軽量化し材料費を浮かすことと球形にまとめ上げることで応力の分散とともに剛性を確保し、空力性能にも寄与することとなりました。

わかりやすく申しますと鶏の卵の殻と同じ素材で作られた立方体があったとして、それが本来の卵と同じ強度を保つかと言えば想像に難くはないでしょうし、その中に球形で構成された立体物(つまり人間)を納めるときにどちらが無駄なくコンパクトに収まるのかと、使用する外殻(つまり卵の殻)の表面積が少なくすむかとを考えてみても、卵の形のほうが有利なわけです。

無論、それほどまでに合理的な構造が現代に継承されていないのは「それほどまでに究極的な選択をする必要がなくなった」からであり、この事実がワーゲンのボディの優劣を決定付けるものではありませんし、現代の車が非合理的であるとするものでもありません。

またまた余談ではありますが、ワーゲンより遅れること10年、工業生産が灰燼と帰した後の日本でもやはり国民車構想というものがありまして、日本ではスバル360がまさにそのものの考え方を継承しています(ワーゲンを参考にしたとはどんな文献を漁っても出てきませんが、設計開発の段階から非常に似ています、違うのは独裁者がいないぐらい)

ちなみによくビンテージカーの双璧としてミニが挙げられますが、こちらは車全体を設計開発したものではなく既存のエンジンを使って出来るだけ小型の車を作る(主に燃費重視)コンセプトから端を発したものです。戦勝国の余裕というものも垣間見れますが(笑)
なによりそんな時代の一番の戦勝国のアメリカではいわゆる「アメ車」と呼ばれる羽が生えたようなものやら、ワイドアンドロングな巨大なセダンがバンバン作られていたのですが。

 ということで、ワーゲンボディ開発の経緯は実のところ何のことはなく、殺伐とした切羽詰った空気の中でひり出された超合理的工業生産物だった、ということを長々と説明させていただきましたが、人間がひとつの信念に基づいて心血注いで生み出したものとはやはり芸術に限りなく近づくものではあるなと感じますし、機能は美を美は機能を表すとして人が生み出した道具としての自動車のあるべき姿はここに完成を見ていたのではないかと思うわけです。手前味噌ですが。

 過去の戦時や、経済不況など混乱の狂気が、永遠ともいえる芸術達を生み出してきた歴史は皮肉といえば皮肉ですが、芸術とはアンチであるべきであるという視点に立てば、ワーゲンの形が人々に与える現在の印象には頷ける部分もあります。 

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comment

トモカズ
で、何が言いたかったんかいまいち解らんけど・・・・

因みにしってる?
ポルシェ博士はドイツ産ではないらしいですよ。。。
2010.06.24 14:25
たかぴー
てんちょって頭いいんですか?
2010.06.25 18:18
CHELM
> てんちょって頭いいんですか?

良いところと悪いところがあります。自前の大砲には自信あります。



2010.07.01 14:19
CHELM
> で、何が言いたかったんかいまいち解らんけど・・・・
>
> 因みにしってる?
> ポルシェ博士はドイツ産ではないらしいですよ。。。


別にどうでもいいことを無駄に長く説明することによって何かが発見できないかと・・・日々実験文章を書いております。

ポルシェさんはオーストリアンか。まあ、なし崩し的だった時代背景からすると「芸は身を助ける」、といったところかと、トモカズさんもナニワのポルシェと言われるようにがんばってください(笑)

2010.07.01 14:49
にわとり
ふ~ん
2010.07.04 14:10
CHELM
うふ~ん
2010.07.07 14:00

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