男にとって原因不明ほど恐ろしいモノはない。
それは男性が、原因と結果を重視する生き物だからだ。
とはよく言われます。
ですんで、家に帰ったら何故か妻の機嫌が悪い、などという状況はとてつもなく恐ろしいものなのです。
何故かを訊くのはもちろん、その先の闇にぽっかり開いているであろう龍の口をのぞきこむのも憚られ。
男は黙って沈黙に耐えるというのが常套手段と言えましょうか。
ただ、私も男ですが、涙を呑んで原因と対峙しなくてはならない時があります。

かすかな異音。
走っていると、コロコロ、カラカラと異音がする。感覚的にはダッシュの裏あたりから。
重い音ではないので、トランク内で何かが遊んでいる、外れかけている、そんな感じの音です。
走らないと鳴らない。
しかも一定速度以上でないと鳴らない。
ギャップを踏むとなりやすい。
しかしブレーキを踏むと消える。
これは非常に難問です。
まず、走行に支障はない。各種ベアリングにガタはなし。
そこで似たような音がする部分を探る。
当然とランクルーム内ではないかと当たりを付けてるので、そこから攻めるが、該当箇所はなし。
速度を上げれば鳴るので、スピードメーターケーブルかと思ったが、抜いても変化なし。
ブレーキ踏んだら消えるなら、ブレーキ系統じゃないかと点検して見るも異常なし。
現象から原因を追及してみるも袋小路に陥る。
ではローラー作戦しかありません。
あらゆる箇所を触って揺すって、叩いて、似た音が鳴るところを探します。

で、見つけたのが、ステアリングダンパーの樹脂製のダストカバー。
これがコロコロと遊んで動いているからではないかと。
速度にもブレーキにも関係ないが、似た音が出ているので容疑者の一人として執行します。

カバーを取り去った。
別にカバーはなくても大丈夫です。
しかし、音は消えない。えん罪であった。
フロント足回りを隅から隅までゴムハンマーで叩く。
どこかにビビりがあるのではないかと。共鳴振動していると考える。ブレーキを踏んだら止むのは、共鳴波がローターからタイヤ、路面に伝わって打ち消されるからではないかと予測する。
一箇所だけ音が違う。すごく微妙だけど。

暗くてわかりにくいけど、ディーラー使用にだけ装備されているトーションビームサポートバーの、トーションバー側クランプの緩み。
ほとんど緩んでないけど微妙な緩み。
ここの目に見えないほどのガタが原因です。ついに突き止めました!
じゃあ、何故ブレーキを踏むと消えるのか? それはこの足回りの構造を知っていれば自ずと解ります。
同時に、このサポートバーってものすごく重要な役割してるじゃん、と今更私気づきました。
あるのと無いのとでは、絶対走り変わるよなぁ、と。
今日で終われて良かった。すっきりしました。
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