はい、東京レポート二日目です。
オリンピックの開会式って夜なのね、と今更知る。どうでもいいけど。

聖地巡礼しようと思っていた新宿御苑。 なんと振替休で休園とな!
なんの聖地か。
「君の名は。」で一躍脚光を浴びた新海誠監督の短編作品。
言の葉の庭これ、めっちゃいいんですよ。そして何より大江千里の「Rain」を主題歌に持ってきてくれたところ、おっさん心にジーンと染み入ります。
門の前で途方に暮れてたら、同じような方が何名かいらしました。ううむ残念。
この聖地巡礼ってのは、多くの日本人にとって無関係なものと思われるかもしれませんが、サブカル界においては今や常識的な行為であります。簡単に説明しますと、ゲームやアニメ、あるいは造形物や乗り物など主にサブカル分野に属する趣向媒体の製造販売元などをメッカと呼びリスペクトを込めて訪問することを聖地巡礼などと言いました。それの延長で、京都アニメーションなどを筆頭に特定の地域を舞台(あるいはモデル)にしたアニメ作品などの精緻な背景画が描かれるようになると、描かれた場所を聖地などと呼ぶに至り、昨今のようなご当地アニメに繋がってゆきました。またこのファンによるご当地訪問が、当の地域に奇跡的な経済効果を生み出すこともままあり、一部ではアニメ人気を自ら積極的に取り込んで共に発展しようという自治体もあります。
観光立国として政府が叫ぶクールジャパンの中には、日本が生み出したサブカルが深く入り込んでおりまして、(実際海外にもアニメファンはアホほどいます)日本のオタク文化ってのは世界中が羨望の眼差しを向けていることは確かなようです。

べ、別に来るつもりなんて無かったけどな、近くまで来たからついでに墓参りしてやったぜ。 先祖代々の墓。

そして私にとって、ラーメン界の聖地巡礼。わざわざ練馬区の石神井町までゆきました。
井の庄そう、あの毎年冬限定で発売される寿がき屋のカップ麺、「辛々魚」を監修したお店。本物です。

間違いない美味さです! カップ麺の再現度はすごいけど、当然だけどカップ麺より美味い。もう何言ってるのか解りません。
こういうのって、二次元でみていた物の実物に遭遇する気分に似てますね。(って何の喩えか)

そして池袋に戻り、山手線で秋葉原に向かう。
アキバの駅構内ではこんな風景が。
レトゲーまつり。おお、クールジャパン。

はっきり言いますと、この東京で最も賑わっていたのは秋葉原でしょう。外人の数は表参道を超えていたかもしれません。
そしてアキバワールドの玄関口とも言えるラジオ会館前および内はカオスです。あれほどの数のオタク達に囲まれたのは初めてです。ふーふー言いながら薄い本買うために行列を成している様は異様の一言。
もう二度と中に入りませんごめんなさいゆるしてください。

メードが立ってますね。
もちろんこのメード文化ってのも日本発祥のクールジャパン。メード・イン・ジャパンです。
街頭に立っている彼女たちはカフェの店員でして、冷静にみたら単なるポン引きなんですけどね。気の弱そうな奴はかなり執拗につきまとわれます。嬉しはずかしですね!
私は「もえもえキューン」とか言われてクソ高いカフェ代金払う気にはなりません故、行きませんでしたけど。勇気を出して社会見学すべきだったか。
しかし、基本私の頭の中に萌えなど無いんですよ。あるのはエロだけ。

この後、すぐ隣が神田明神だったんでついでに寄りまして、ならばと、徒歩で丸の内サディスティック。19万も持っていない御茶ノ水~。
オフィス街に埋まってしまいそうな平将門公の首塚へお参り。
写真はないんですけど、見上げれば周囲は高層ビル群。そのビルとビルの隙間のひっそりとした一角が首塚。
平将門というと、朝廷の支配から関東地方の独立を主導し、皇家に反駁した武人です。
しかし、孤立無援、勇猛果敢に戦いながらも、残念ながら独立の夢は果たせないまま討たれてしまいます。
伝承では、討たれた首は一度京都へ送られ、さらし首にされたにもかかわらず、一向に朽ちることがなくそればかりか、毎夜恨み節をがなり立てたという。そしてある夜首はひとりでに空を飛び東へ向かって飛んでいった。その落着地点がこの大手町の首塚とも言われております。
ちなみに過去、この塚を取り壊したり移転したりする計画が持ち上がる度に、事故が起きるという、まあ相当な忌み場ともなってしまったようでして、このビルの隙間の一等地に鎮座することとなったそうです。
ただ、将門公というのは朝敵とされながらも、関東人にとっては英雄であり、「帝都物語」という文献においては、首都東京を守護しているという逸話もあり、地元の人々からは大変慕われております。
たぶん格好からして地元の方でしょう、私がここに居た5分足らずの間にも入れ替わり立ち替わり、三名ほどの方がお参りに来ておりました。
しかし、そんなかつての仇敵が通り一つ挟んだ向こう側にお住まいになるとは、将門公も予想だにしなかったことでしょう。
そろそろ私の旅も終わりです。皇居外苑を走るランナー達を横目に東京駅を目指します。

まあ、こうして振り返ってみれば日本ってのは歴史の「聖地」だらけでありまして、伝説、伝承というフィクションを象った遺跡や史跡、歴史的文化財、建物、風景がどこにでもあります。そういう意味では日本はサブカルだらけの生粋のオタク国であり、物語の上に現在の日本国が成立していると言っても過言ではないでしょう。
めまぐるしい経済発展を遂げたにもかかわらず、その底流に連綿と流れる日本の風土や風俗は、たしかに外国人の目には奇異で神秘的、かつ不可思議で魅力的に映るかもしれません。
オリンピック目前の東京を振り返りながら私は思うのですよ。
日本はオタクの国であり、日本人は皆オタクである、ということをもっと自覚すべきではないかと。
自覚…………あ、俺のことか。
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