身体を張ってネタ作りしている訳ではありませんが。

たまに近所の山の林道に走りに行きます。
地元のせせこましい林道ですから、整備が行き届いていなかったりで崖崩れや倒木なんてのは日常的にあり、思わぬアタックを強いられることがあるのです。

午前中の私は、優雅にカフェーでモーニングと洒落こむ穏やかな紳士だったのですよ。

せっかくの休みだし、山に入って自然の声を聴いて、荒ぶる心を落ち着かせようではないですかと。
少し山に入れば人気のない、本当に綺麗な場所があるもんですよ。
うん、心が洗われます。
こういうフラットな山道をとことこと走るのは、もっぱらトレッキングといいまして、なんとも優雅なライディングなんですが、山には魔物が住んでいると、誰が言ったか知りませんしそんなことはどうでもいいんですが、一歩間違えばエラい目に遭います。

崖崩れで行き止まりです。
さすがに無理だねぇ、と一人苦笑いながらUターンして、いざ引き返そうとしたところ、意外に傾斜がきついことに気づく。
あれ? 俺、なんでここまで降りちゃったの? 斜度にすれば30度もないのだけど思ったより地盤が緩く、駆動輪は地面を掘りまくる。これ、二速でトラクションとかそういう問題じゃない。降りて手押し。クラッチとアクセルを駆使しながら。
吐きそうになりながら登り切る。実は一瞬、このままマシンを放置して徒歩で帰ろうかと思ったくらい絶望的な状況でした。

なんせこれですから。
いやあ、やっぱロープは常備だね、一人で無茶したらいかんよね、と帰路につく胸中で呟いたのですが。

枝道があればどこに通じているのかみてみたくなる、というのがオフローダーの性癖でして。
つい、素直に帰ればいいのに、つい、行ってしまったのですよ。
倒木の脇を超えて。
なんで俺行った?
なんで行こうと思ったの?

で、引っかかり、素敵な絵面を作ってしまいました。
これ、斜面に沿って走り抜けたら越えられるんですが、ずるってすべってズボッと嵌まり、前にも後ろにも行けず。
足場が悪いので一定以上持ち上げることも引き上げることも出来ず。
「やっべぇ~、まじやっべぇ~」呟きつつ、したたり落ちる汗が地面を濡らすほど、焦りました。
これホントマジで、帰れないかもしれない。
もう、本当にナンバープレート外して放置して帰ろうかと思いました。
ひたすら惨めで、ひたすら寂しい。行って嵌まって引き上げる。聞こえるは鳥の声と自らの荒い息のみ。
まさにこれは淋道。
ま、結局のところ、車体をひっくり返し、逆さまにしたりして、根性で乗り越えて無事帰還した訳ですが。
200ccクラスの車体とはいえ、意外に自分パワフルなことしてるなと。
久しぶりに、酒以外で吐きそうになりました。
教訓。
一人の時はアタック禁止。
その臆病さが命とバイクを救う。
林道の一寸先は闇。
以上でございます。私とアタックツーリングがしたい方は挙手を。
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