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ひなまつり

2019. . 04
てんちょのあやしいはなし

もう終わってしまいましたが、三月三日というのは、桃の節句、すなわちひな祭りであります。

ご存じのようにひな祭りの起源は非常に古くからあります故、当然これは旧暦換算で本来は4月の時期にやるものであり、3月ってのは実は早すぎます。
旧暦新暦換算で見ると、旧暦三月三日は、新暦の四月七日とか月初あたりになります。

つまり季節的には四月で初春というより、すっかり春真っ盛りだった訳です。

例によって、起源や歴史を調べたんですが。

ひな祭りはもともと上巳の節句と呼ばれていたのですが、江戸時代くらいに桃の節句とも呼ばれるようになり今に至ります。
なんで桃の節句なのかというと、桃の花が咲く頃(三月下旬から四月上旬)という単純な理由です。

さて、ひな祭りといいますと雛人形ですが。
これの起源は遡れば見たまんま、平安貴族にまで遡るそうな。ま、貴族の遊びだったものが庶民へと浸透していったというだけで、こちらもさほどに怪しい話にはならんと言えます。

いわゆる土地を表す言葉、あるいは見物人の座席などをさして雛檀というのは、雛人形を飾るだんだんを指してのことで、当然ながら雛人形が豪華になっていった江戸時代より後に生まれた言葉であります。

ただ、この雛人形。そもそも何故生まれたのかというのが割と怪しい話でして、もともと上巳の節句の上巳というのが、発祥の中国ではこの日に水辺で身を清める習慣となっており、それが平安時代に日本に伝わり、草木や紙、藁などで作った素朴な人形(ヒトガタ)に自分の厄災を移し、海や川に流して穢れ祓いをするというのが、事の発端です。
今でもある「流し雛」はいわばひな祭りの原型と言えるでしょう。

で、人形(ヒトガタ)に災厄を移し流してしまう、というこの風習の発端が、実のところ呪術的な意味合いを持つ、というか呪詛そのものでして、ヒトガタは形代とも呼ばれ、穢れ(あるいは呪い)を祓う呪術具として、主に紙を使ったそうですが、人の穢れを受けさせるために人の形に切ったというのが原点だそうです。

で、この原点がどこにあるかと申しますと、実のところ平安時代よりもさらに前、古墳時代にも遡るといわれており、そうもなると中国文化どころか、こりゃあ土着の原始宗教じゃあないんですかという疑問が生まれてくる。

実際にヒトガタの簡素な木像に釘を打ち付けたものが、奈良時代の遺跡から出土しているので、ヒトガタは平安時代よりも前であり、流し雛のような呪詛は貴族が始めたことではないという解釈になります。

ですんで、この事実を統合しますと。

発祥が宮中であったならなおのことですが、上巳の穢れを祓うという風習に基づいて、この呪術的儀式が行われただけであり、実のところ雛人形の原点は、呪いのわら人形と同源となる、ヒトガタであり、陰陽師の使用する式札あたりに収斂してゆくのではないかと思われます。

彼ら陰陽師はもっぱら呪詛を使って政敵の呪殺を請け負っていたといわれておりますから、ファンタジーほど清廉潔白ではなく、まあ後ろ暗い因果な商売だったと。そのせいで権力持っちゃったんですけど。

ですんで、起源が陰陽師、すなわち中国の陰陽五行思想あたりに行き着きますから、やっとで上巳という言葉とも繋がってくるということです。

で、陰陽道の歴史がどのくらいかというと、奈良や飛鳥時代などとも言われているそうですから、前述の「釘を打ち付けられた木像」が出土した時代とも重なってくるということになります。

これは別に私が無理矢理こじつけた訳ではなく、こうなるしかないよな、という率直な推理です。

しかし、近現代に於いては、だんだんに乗っかった雛人形にそのような意味を持たせる人はおらぬと思いますし、人形を川や海に流すなどということもせず、大事に押し入れに再度収納するというのが習わしです。

ただ、雛人形をしまうのが遅れると、婚期が遅れるなどという呪いじみた言い伝えもありまして、私などは「これはやはり!?」 と思ってしまうものですが、そういうことではなく、「出したものをだらだらといつまでも片付けないでいるのはだらしない、いい嫁にはなれぬぞ」、という戒めのために、いつからか言われ出したことのようです。

ま、今どき婚期が遅れると言っても、ダブルインカムでも「ひな壇に飾られたような豪奢な家庭生活は望めません」という現実を目の当たりにせざるをえない現代に於いて、雛人形に込められた「女子の健やかな成長を祈る」という呪詛そのものが発動しているとしたら、女性も出世する世の中だからそれでいいのかなぁとか思ったりするんですが。

しかし、少なくとも押し入れの中でカビを生やしている雛人形(形代・ヒトガタ)が眠っているのは、とてもよろしくないことだと思いますので、年に一度はお出しになり、お祀りするがよろしかろうと。

はい、男がしゃしゃり出て、こんな所でいらぬ事を申しましてすみません。
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