2021.
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今日は珍しいお客さん。
来店されて一言目が、「お店の写真撮ってもいいですか?」と。
私ちょっと怪訝な感じで応えたかもしれません。
蛇足ですがコロナ禍でマスク社会になってから、初対面の人って顔が解らないし、表情も読めないので、その口調とかなんとなくの態度でしか、その人の人なりを想像できないんですよね。
なのでスミマセン、初めての方と対面するときは、ちょっと「うーん」、という表情をしているかもしれませんが、勘弁してください。

表に出てみれば珍しい車が。
オーナーの方、たまたまウチの前を通りかかったので、ワーゲンをバックに写真を撮りたいなぁと思って立ち寄ったとのことでした。
それより、この車。
私知らなかったです。なんですか? キットカーかと思いましたが、なんとメーカー製。しかもダイハツ。


ダイハツ フェローバギィという車。当時100台しか作られなかったという、伝説的レア車。
フェローバギィは、1970年4月にダイハツ工業が発売したバギーカー。北日本を除く日本国内で、100台限定で販売された。実用性を重視した乗用車や商用車が主流であった時代に、FRPボディによるユニークな外観と、スポーツカーに準じる2人乗りという軽自動車規格を備えていた。型式はL37PB。(Wikより抜粋)
どうやら、ビートルのシャーシを使ってデューンバギー(マンクスバギー)なんかを作っているのから着想したそうです。
当時、車文化が開花して、レジャーカー、レジャーバイクブームも相まってこの様な遊び心を前面に押し出したファンカーとして、メーカー単位でやらかしたというのはすごい。しかも日本の法令をかいくぐるため、荷台を造り、ピックアップとして登録したという。
なにより、日本人のセンスでバギー作るとこうなるんだなぁ、と、じわじわ味わいのあるスタイリングであります。

エンジン。2スト360ccですからちっこいです。機能美を感じます。

インパネはかなり弄ってるみたいですけど、こんなかんじでかわいい。
滅多にお目にかかれるような車ではないので、大変いいものを見せてもらいました。オーナーさんはさぞ大事に大事に乗っておられるのかと思いきや、箕面の山を片輪浮かしながらガンガン攻めてるそうです……。いや、車は走ってナンボですから、いいんですよ。ガンガン走っちゃってください。
こんな楽しそうな車に乗れるのは本当に幸せなことだと思いますよ。それが好きな車なら尚更です。
バイクの業界でもモンキーなんかが生まれたのはこの時代で、規制が追いついていないせいもあり、メーカーとしても自由に車作りが出来たいい時代であったことは確かでしょう。その系譜が今に続いて、大ヒット作となって久しいわけです。
今じゃ安全基準やら、排ガス規制やらで絶対同じような車は作ることが出来ません。
もし作っても大型化してしまいます。無粋ですよねぇ。
その後喋りまくって、颯爽と帰って行かれましたが、なんともまあ小気味よい2ストロークのエキゾーストノートを響かせておりました。ありゃあ、テンション上がるわ。
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2021.
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リアに三点式シートベルトを取り付けるためのアタッチメントです。前回はナットを溶接しましたが、今回はリベット止めにします。おそらく強度的にはさしてかわらんだろうと、というのと、やはり内装剥がさないままの溶接は火事が怖いので。

67年くらいのモデルだと、まだシートベルトのマウントはついていないので、穴開けからはじめます。
シートベルトの取り付けってのは存外面倒でして、いろいろ加工しなきゃなりません。
――と、ふと下を見てみると。

なんかゴミだらけ。ありがちな風景ですけどね。
ん?

これはスカイライダーですね。まだ初代のイメージを色濃く残しつつも、唯一無二の“空飛ぶライダー”として注目を集めた仮面ライダーです。
ま、それはいいとして、これなんなのかと。
べったん(メンコとも)です。私らの幼少期にもありました。今の子達はたぶん知らないですね。いわゆるカードデュエルの先祖みたいなものです。負けたら相手にとられます。
ルールはものすごく原始的で、地面に置いた相手のカードに、自分のカードを叩きつけ、ひっくり返したら勝ち。(起こし、という遊び方、他にもルールはあるし、遊び方も多様)
現代のトレーディングカードとは違い、表面の絵柄に強さは全く関係なく、単にフィジカルなスピードとパワー、そして中て所を正確に射貫く繊細さを要求されるガチンコカードバトルだったのです。
その負けたときに晒す裏側なんですが

改めてみると、色々描かれてますね
花札、ジャンケンのグー、謎の数列、ストライク、あっちむいてほい? フィアットアバルト750……ん、うーん、この車なんでしょう、めっちゃ未来ですね……同名の車はありますがこんなに尖ったデザインじゃありません。
まあ、この裏面はものにより色々印刷されてますけど、どうやら工夫次第で色々遊べるようにおまけで付いていた機能のようです。
もちろん遊び方や、明確なルールなどもありませんから、子供達が現地で創意工夫してデュエルしていたというのが現実です。
昔は本当にこういう、ルール無用なオモチャが多くありました。というかオモチャには説明書なんてついてなかったんです。
その分いろんな発想が出来たというのはあります。こうでなくてはいけない、という決まりがなかった。
だから無秩序で、無軌道で、無節操で、平等性など無く、公平性もなく、単に義理人情だけで動いていた。
子供の世界ですら、ですよ。
昭和とはそういう時代でした。

そんな思いを馳せながら、シートベルト装着です。
今日のシゴトオワリー
2021.
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いつものオレンジハニーです

お土産にケーキをいただきました――――と!
おおこれは、
パティスリー・クルクリュさん 同じくオレンジのビートルに乗っている長岡京市のケーキ屋さんです。

スミマセン、一度来ていただいて以来、直接行けずで、今回お持たせにて初めて賞味しましたが、
めっちゃ美味いじゃないですか! (宣伝宣伝 マジです)
お客さん曰く、夕方にはケーキ売り切れになるそうですから、お早めに行かないと買えないそうです。
普段甘いものとかに縁がない私ですけど、こういう時にいいモノ食べさせてもらってるので、わりと舌が肥えてるかもしれません。

そんな幸せの後に、生涯初めてというくらいに固着したタイロッドを解く。
これがどのくらいの固着かというと、私がパイプレンチで全体重をかけても回らないくらい。そりゃあ車載状態じゃ回らんわな。
旧い機械の修理ってのは、こういう回すだけの作業だけでも一時間かかったりします。
ケーキのカロリーくらいは消費したよなぁ。
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というくらいの温かな一日でした。

天気がよいので、近所のお客さんのところまで出張修理。
そこでオーナーさんと修理しながら話してたんですが、前世代からすると現代は、過去から長らく続いてきた物質的な金銭消費行動であった "モノ消費"は、実体を必ずしも伴わない体験である "コト消費" に変わったといわれる話。
それが更に今は "エモ消費" と言われているそうです。
それは、体験より更に先の、言葉に出来ないような、エモーショナル(情感的)な体験や感覚にお金を払うという消費行動。
確かに物質にはこだわらなくなった世界にはなったと思います。価値観の広がりというか、そういう意味では昭和まではまさにモノ消費の極みだったのかもしれません。
それが平成になりコト消費、令和でエモ、と。しらんけど。
そうそう、私も昨晩エモ消費しました。

悪名高いペヤング焼きそば
今回は、極劇辛カレー。

見たところ普通のインスタント焼きそばなのだけど、食べたらヤバい。
こういうのってさ、口に入れた瞬間は割とソースの味とかカレーの味とかするもんじゃん?
それが、舌に触れた瞬間から辛い。そのあとはひたすら痛い。ずっと痛い。
そしてまずい。
ネタ枠だと解ってはいたけど、ここまで容赦ないとは思っていなかった。
私は辛いのが特別好きなわけではないのだけど、食べるものは美味しくないといけないと思っている。
さすがに怒りを感じました。
エモーショナルな体験をしました。

あと、蛇足なんですが。
よくバイクの中古タンクで、「タンクの中の錆、少しあります」みたいに書いて売っているのあるじゃないですか。この写真みたいに。
こういうの中はどうなってるんだろ? って開けてみたくなりますよね


すげーぜ、すげー錆びてるぜ! 長年バイク触ってきましたが、見えているところ以外がこんなに錆びてることに感心しました。

なんか粉みたいなのも出てきた。
こりゃあ、使えんよね。
ま、もともとタンクとして使う予定なかったモノですからいいんですけど。
中古タンク買うときは錆びてない奴がお勧めです。でなければこのようにエモーショナルな体験になってしまいますので。
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高槻の軽自動車協会に来ました。
なんと検査ラインが新しくなっています。

普通車のラインよりもゆとりのある作りをされてますし、全てがオートコース。
綺麗で広い快適な職場って感じですね。2ラインでせせこましかった以前とは雲泥の差。

そもそも、軽自動車というのは、自動車としては「半人前」という見られ方をしていた時期が長く、極端ないい方をすると軽自動車を所有していても自動車を所有しているとは言えないという空気感があったのも事実です。
それは相応に軽自動車のスペックが低かったせいもありますし、クオリティも劣る、乗車定員も4人まで、サイズも制限されている事から、排気量無制限で魅力的なデザインを有す普通車クラスには、性能面も含めて到底敵わないという土壌がありました。
また、軽自動車メーカーおよび、軽自動車という機械の性質上ブランディング化が非常に難しく、価格を上回るような価値というよりも、価値を下回る価格といった、いくら格好をつけたところで軽は軽と一蹴される、まさに文字通り軽い存在であったのです。
ただ、21世紀もむかえた昨今、猫も杓子も自動車を転がすようになれば、軽自動車業界も新たな需要に着目して、可能な限り規制の緩和、サイズや排気量の拡大化と、その中で為しうる高性能化を目指し、ターゲット層を細分化しシェアを確立してきました。
やがて高性能化が極みに達し、普通小型車と遜色ない使い勝手になってきたとき、軽自動車を含めた税の一本化、重課税化が叫ばれるようになって今に至りますが、この軽自動車協会のような組織が、かたくなに自身らの利権構造を堅守しているため、軽自動車業界は瓦解しないで今もまだアドバンテージを保ち続けていると言えます。

ただ、世界的にみたときに、この日本の軽自動車業界はガラパゴス状態で、まさに「ガラ軽」と言えるでしょう。
といいますのも、日本以外の国で軽自動車の規格を扱っている国はなく、わざわざ規制をかけられまくった不便な車を乗る必要がないだろうというのは至極当然の結論かと思いますし、一部軽自動車を輸出している国においてもエンジンは1000ccを積んだりと、スープアップされているのが実情のようです。なにより軽自動車が規制を受けているのは、日本の税制上優遇されているからで、その部分に影響を受けない海外でメリットが殆どなくなってしまうためです。
ただ、ここまでは誰でも想像つく話ですが、それにしても世界一小さなエンジンで、かつ馬力を出せて、世界一効く小型のエアコンを装備し、四人乗りとは言え車種によっては普通車に匹敵する広大な居住空間を確保できているという、これほど高性能なコンパクトカーを、世界が欲しない方が私は変だと思います。
ヨーロッパのように安全基準にうるさい地域ならまだしも解りますが、走行性能や衝突安全性を差し引いたとしても流通が少なすぎると思います。またそこをクリアすれば売れるなら、日本メーカーはヨーロッパ向けに規格をオーバーして開発したってお釣りが来るほど、日本メーカーの作る軽自動車のバリエーションは魅力的だと思います。
また、軽自動車は規格化されているせいで、各種の部品が流用可能であることも大きく、単純にホイールなどは殆どが互換しますしタイヤサイズもほぼ統一なので、大量生産によるコストダウンには有利です。またエンジンも各メーカーが用意した数種類のエンジンしかないため、意識的に統一すれば各種の補機類も含め、これも大きくコストダウンに貢献します。
これは途上国などに輸出する際は非常に大きなアドバンテージです。
何故これをしないか。
思うに、軽自動車を輸出したら、日本の普通車が売れなくなるからではないでしょうか。
または現地や他国の小型車が売れなくなるから、そうなったら困るので、国同士、メーカー間での紳士協定を結んでいるのではないか、と。ある意味危険外来種として世界の自動車業界から危険視されていても仕方ないような気がします。
「公正で自由な競争を下に適正な取引が行われるよう取り組む」、と自らの憲章で謳っている軽自動車協会がこの分野に大きく関わってこないのは、微妙なパワーバランスの中に成り立つ組織であるから、とも言えなくはないかと。
まあ、内情は知らんけど。

ウチの近所の温度計。
寒いわけだ。