2021.
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三日目です。
完成しました。今思いつく限りの知識と技術を投入しました。
80%くらいの確率でシフトミスなし。ただしそれは私がやった場合であって、初めて乗る人はやっぱり操作できないと思います。
仕事がないおかげで、めちゃめちゃ集中出来て良かったです。これが中途半端に暇だったら途中で投げていたかもしれません。
このビートラックには私が考える色々が詰まっています。その時その時に想像したことや、やってみたいことが詰まった、ビートルカテゴリーの中では夢の結晶と言っていいモノです。
私は機械加工屋ではないので、そんなに精度の高いものは作れませんし、ある道具や材料、そして自分の技術や感覚なんかを頼りにするわけですから、それ故アイデアや工夫は強いられます。

例えばこういう何の変哲もないパーツですが、ただプレートにシャフトを通してナットで締結しただけではいずれ緩んで回ってしまいます。それを防止するために、回り止め加工を施します。本来ならテーパーシャフトにしてウッドラフキー入れるような部分ですが、そんな加工は出来ません。
なので、プレートに穴を、ピンをシャフトに溶接するという形に収まります。レバーシャフトの着脱が出来なくてはいけないため、ここはナットで締結しなくてはいけないんです。

全てを溶接で作れたら、製作時間は大幅にカットできますね。そのかわりメンテナンスできないし、失敗もやり直しも出来ない。
後にバラすことが出来るように作るというのは、存外大変なことなんです。
構造がよくワカランという人に、図を書いてみた。

そもそもビートルのシフトロッドの構造が解らないと理解不能だと思うけど、自分で自分を褒めたいくらいに難しいことやってます。サンダーと半自動溶接機でよく作ったと思う。
この縦方向に立っているオペレーションロッドは、真ん中の支点を軸にして、上下左右前後に動きます。
この構造に行き着くのに一日はかかりました。

おかげでフロア回りはこんなにすっきり。
シフトロッドは仮付けの緊急用です

サイドブレーキのワイヤー機構もトンネルの内部に。

今回はスイング操作がシビアになったので、シフトレバーの形状も大幅変更しました。

シートを戻して完成。

たぶん、これ以上の仕組みは思いつきません。簡素な構造なら他にもあるんですが、今回はアソビを少なくするのと、スイングとプッシュ&プルという、円軌道と直線軌道で確実に操作できるシフトレバーを目指したので、あえて構造は複雑化してます。
こういうの考えると、頭の運動になるんですよ。
どうやったら出来るのか? を考えるのって面白いし、楽しい。もう少しましな道具と材料があればもっといいもの作れるんでしょうけどね!
そゆわけで、ビートラックアップデートは終了
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終わらせると豪語したものの、終わらなかった。
予想はしてましたが、つけては外し、切って溶接して、合わせて、の繰り返し。
精度を上げるとそれだけ操作フィールは良くなりますが、加工もシビアになってきます。こんな適当な作り方してても意外とタイトに作ってます。私の製作環境の場合、タイトに作りすぎるくらいで丁度いいアソビが出来ます。

まずは先に済ましてしまえる、サイドブレーキワイヤーの内装化。
これはタンク下でトンネルに穴を開けてワイヤを後部へ引き込んでます。
今ワラながら最初からこうしておけば良かったと思う。

で、これが今回のシフトリンクのキモ。

これがばっちり作動すれば、シフトレバーも確実な動作になります。

こちらも元のマウントを利用して、新機構を追加してます。

何が何やらワカランでしょうけど、要するに知力と根性でやり遂げたって事をいいたいわけです。
機械設計する人ってこういうコト毎日やってるんでしょうね。
設計技師さんってめっちゃ頭いいと思います。

はい、ようやく立ち上がってきました、リンクロッド。
あとはシフトレバーロッドと接続するだけです。

この時点でほぼ動作確認済みですが、タイムアップとなりました。
明日仕上げて、仕事に戻りまーす!
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さて、かねてより気になっていて、操作感が悪いと思っていたビートラックのシフトです。
詳しくは
過去の制作記事を読んでいただけるとよくわかります。
今回はこの様に改造します。

実物見てない人は全くわかんないかもですが、解らなくてもいいです。たぶん何の役にも立ちません。
そもそもは、トラックなんだから、コラムシフトにしようぜ! が始まりでして、どうやって実現すべきか考えあぐねた結果、この図のようにリンクでコの字につないで操作桿をダッシュパネルまで持ってくるという構造だったわけです。
ただ、リンク箇所が多くなればなるほどアソビが大きくなり、不安定なシフトフィーリングとなって、長年私以外乗れないトラックになっておりました。
そこで、確実にシフトできるように改造するため、リンクを減らし、さらにフレームトンネル内に構造の一部を埋め込んでしまえば室内もすっきりという、ビートラック製作当初は面倒さも相まって手をつけなかった作業を10年越しでやります。

シート外したところみたの10年ぶり。
シート下にサイドブレーキのワイヤーがあるんですが、これもトンネルの内側に入れたいところ。

パーキングブレーキは元々、フット仕様になっています。これはベンチシート化するときに必須作業でした。

タンク外すとこんな感じになってます。シフトリンクのベースの取り付け位置は補強してます。

トンネルのパネルをがっつり切り取るのに、何の躊躇もなくなったのは年の功というべきか。こんくらいで強度が落ちたりはしません。

シフトロッドを前方に延長します。約40センチ。

ペダルの根元付近までシフトロッドが来るので、ダイレクトに操作できます。これだけで2リンク削れるんです。

以前に作ったリンクなので作り直そうかと思いましたが、我ながら上手いこと作ってるのでそのまま継続使用決定。

今回確実なシフトフィールを確保するための新機構。
ビートラックに乗る度に考えていたアイデアを、今回はフルに盛り込みます。考えていたことをほぼ遜色なく実現できるのは、それだけ構造的に熟知しているからです(自分が作ったから)
さすがに明日くらいに終わらせないとな~。
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新たなストラットを取り付けます。
確かホンダのオデッセイのリア用だったと思う。いけそうな気がしたのだが、やっぱそれなりにデカいので前と同じ付け方は出来ません。
なのでアッパーマウントをずらしてレイダウンすることに。
これが徒労に終わるとも知らずに。

針金で位置を決めてます。

型紙でステイの形状と取り付け位置を割り出します。こういう作業は測ったりしません、ノリです。

ステイ出来ました。帯鉄を曲げて穴を開けただけ。

ステイ制作の際の誤差により、予定位置よりもレイダウン(前傾)してます。
ま、いいじゃろー、ということで。

最終的にはガッチガチのマウントになり、満足して取り付けてみたら、サスがストロークしてない……。
原因は適当にレイダウンして、レバー比とか全く考えてなかったせいです。
そもそも、ショックがついている部分が最適解であることは判っていたのですが、トーションバーを軸にスプリングプレートをアームと考えればドライブシャフト末端は円弧運動をすることになるのだから、多少斜めにつけたところで問題なかろうと思っていたけど、ステイのズレ分で、どうやら作動の閾値(しきいち)を超えてしまっていたようです。適当すぎるのはアカンね。
そんなわけでリトライ。

片側のマウントは捨てて傾きを最小限にまで押さえるべく、ストラットの一部を切りステイを作り直します。

新たに切り出すステイ。

こういうパーツにして

ストラット側に溶接します。

この写真、後ろから見ると内側にこのくらい傾けてます。

横からみるとこんな感じ。このくらいならほぼまっすぐストロークします。
ちなみに車高調付きのストラットなので、さらに荷重がかかっても対応できます。

とりあえず修理は出来ました。もうこれで壊れないだろう、と思う。

再び荷台を合体。
次はシフトロッドの改造を行います。
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15
暇になった。
コロナのせいだ。
緊急事態宣言のせいだ。
と、声を荒げるより、コロナを私にうつすまいとするお客さん達の気遣いなのだと思うことにしよう。
どうもね、話題は明るくないですね。
感染者には厳しい目が向けられる。
どこそこでクラスター発生したら、叩かれる。
実際問題、どこで誰がかかっても不思議ではない状況なんですよ。経済活動も人の移動も制限してないわけですから。
私たちはこの異常な状況に慣れてきている。ただ不満や不安だけが漠然とある状態。人が人に対し厳しくあたる時代。
戦時中ってこういう感じだったのかなぁ、と、この前お客さんと話をしてたんです。
日本の戦時中も実際の所は普通の、物資の供出とか、食物の配給とか多少不便な部分があったにせよ、戦争そのものは本土空襲が始まるまで誰も実感してなかった。その当時の人々にとって戦争は人が起こしたものというより、災害みたいな避けようのないものと捉えていたようにも思える。
だから、喩えは不謹慎かもしれないけど、コロナの陽性反応でた人は、さながら赤紙で徴兵されたようなもの。何事もなく生還できるかもしれないし、死んでしまうかもしれない、みたいな。
そういうことなのかもって。
で、他人に対して無関心、無感情、無慈悲になってゆくのは、このもやっと私たちを取り囲む不安感のせいかもしれません。
ある意味、まともな判断ができていない。常識や良識がゆがんでしまってもさほど不思議ではないように思います。
昨年中に起きた現象の全てには、「コロナ禍下」というバイアスがかかっているわけですから、コロナ以前とコロナ後に挟まれた年はは全く比較対象にならないとおもいます。
コロナ禍下の世界は、平時ではなく有事。 そのように捉えなければならないと思います。
そんなわけで、暇なこの時期に以前秋のイベントでぶっ壊れた足回りを本格的に修理したいと思います。

荷台を分離する作業。この作業恐ろしいんです。挟んだら腕ちぎれる自信ある。

今回はサポートの手動リフトが活躍してくれて、まあまあ楽に外せました。
この荷台だけでたぶん100キロ以上ある。

そもそも、アリものばかりで作ってたので(格好よくいうとワンオフ)、壊れると代わりがなく、一から調達になる。
以前は国産自動車の謎のストラットを利用していたのだけど、何用か全く解らないため、今回は手探りで形状だけみて用意したストラットを嵌めてみる。

どうもバネが固すぎるような気がします。全く沈まないのだけど……これは突き上げるかなぁ。
なんにしてもやってみないと判らないのがもどかしい。
しばらくはこんな感じで雑務、残務処理やってるとおもいます。